冷却塔(クーリングタワー)の選び方、また、空研工業株式会社を含む主要メーカーの冷却塔(クーリングタワー)の価格相場を紹介します。
冷却塔(クーリングタワー)とは
あまりよく知られていない冷却塔(クーリングタワー)ですが、その役割は何だと思いますか?デパートやオフィスビルの上に大きな長方形や円柱の機械を目にしたことがあるかもしれません。
水が蒸発するときに熱を奪っていく原理を利用し、温められた水の温度を下げる装置です。場所としてはビルやデパートの屋上に設置されており、冷房に使用している水(冷却水)を冷やすために使用されます。
また冷却塔は、冷凍機で使用する決まった温度の冷却水を作り、冷凍機に送ります。人間の体でいう心臓のように常に一定温度の水を送り続けるのです。またの名を「クーリングタワー」とも言います。
冷却塔(クーリングタワー)は構造別に2タイプに分けられます。水に直接ファンで空気を当て冷却する開放式と、水を配管に通して間接的にファンで空気を当てて冷却する密閉式です。
「開放式」は水と空気が直接触れることで冷却水を冷やすタイプで、主に空調用として使用されます。
密開式より低コストでコンパクトですが、冷却水が蒸発することで濃縮され、腐食やスケールなどの原因となるため、メンテナンスの頻度が増えます。
使われるところ:一般空調用水冷式冷凍機の冷却、地域冷暖房施設の大型冷凍機の冷却、大型産業用プロセス冷却、コジェネレーションシステムの冷却塔など。
「密開式」は冷凍機よりそのまま冷却塔内部の管に冷却水を通し、配管内で散布水により間接的に冷やすタイプで、汚れた冷却水を出せない設備等で多く使用されています。
冷却水が直接空気に触れないので、開放式に比べると衛生的でメンテナンスが少なくて済みます。 配管内を循環する冷却水が汚れにくいため、循環水交換の費用がかかりません。密閉式冷却塔はメンテナンスが簡単に済むので、トータルコストが低くなります。
使われるところ:一般空調用冷凍機の冷却、データセンターや研究所棟重要施設の冷凍機冷却、フリークーリング(冷水発生装置)システムなど。
冷却塔(クーリングタワー)の価格相場
開放式 冷却能力 50kW以下 相場価格:30万円
開放式 冷却能力 400kW 相場価格:360万円
開放式 冷却能力 900kW 相場価格:720万円
密閉器 冷却能力 450kW 相場価格:1100万円
※あくまで参考価格の一例です、機種や仕様により変動いたしますので詳細はメーカーにお問い合わせください。
- メーカー:空研工業株式会社 品名:SKB-80S 超低騒音 開放式
能力:冷却能力363kW 水量1040L/min 送風機出力2.2kW 公表価格:¥3,196,000 - メーカー:日本ビー・エー・シー株式会社 品名:VXT-85 開放式
能力:冷却能力453kW 水量1300L/min 送風機出力7.5kW 公表価格:¥3,274,000 - メーカー:空研工業株式会社 品名:KMB-100R 低騒音 密閉式
能力:冷却能力453kW 水量1300L/min 送風機出力5.5kW トップランナーモーター仕様 公表価格:¥12,879,000 - メーカー:三菱ケミカルインフラテック株式会社 品名:ヒシクーリングタワー HT-300ME-RM 低騒音
能力:冷却能力1360kW 水量3900L/min 送風機出力3.7kW 公表価格:¥10,010,000 - メーカー:日本ビー・エー・シー株式会社 商品名:VXI-70-2 密閉式
能力:冷却能力453kW 水量1300L/min 送風機出力15kW 公表価格:¥10,355,000
また、おすすめメーカーについては、以下の記事をご参照ください。
冷却塔(クーリングタワー)の選び方
企業や地域、従業員にとってよい環境の基準とは何か考えた事がありますか?省エネ製品の導入をすることでランニングコストをかかりにくくすれば、企業にとってよい設備でしょう。
また、冷却塔(クーリングタワー)は外にあるので、音や水質など気にする機会も少ないかと思います。働く人たちの健康や騒音による地域環境など、配慮すべきところはいくつかあります。
騒音が大きければ従業員だけでなく地域住民にとっても過ごしにくくなります。
また、長期使用による内部の劣化から、レジオネラ菌の発生により健康被害も懸念されるでしょう。
それでは上記のことを踏まえて、冷却塔(クーリングタワー)の選び方をご紹介します。
選び方1.用途で選ぶ
冷却塔(クーリングタワー)は主に冷凍機と共に使用されます。
ビルやショッピングモールなどの空調用か、発電所や工場などの大型施設、工業用かを選びます。
また、種類の選定・備え付けの冷凍機によって使用できる開放式・密閉式のどちらかを決めます。
選び方2.仕様の選定
冷却塔(クーリングタワー)にはいくつかの仕様があり、「標準仕様」、「高層階仕様」、「耐塩仕様」、「特別耐塩仕様」、「環境配慮型」、「白煙防止型」の中から設置場所によって適合する冷却塔(クーリングタワー)の仕様を選びます。
選び方3.騒音基準の確認
設置する場所の周りの環境はどうか、また騒音基準について確認します。
騒音規準値については、日本冷却塔(クーリングタワー)工業会(JCI)「冷却塔(クーリングタワー)騒音基準」を参考にして下さい。
選び方4.限界水量表の確認
選んだ仕様のカタログから限界水量表を見て性能を選定します。入口水温、出口水温、外気湿球温度という項目があるので、適合する箇所を選び、温度条件が適合するもが条件に合致した冷却塔(クーリングタワー)の型式です。
選び方5.トータルコスト
開放式の初期投資は安く済みますが、外気と触れて冷却水を冷やすので雑菌が繁殖しやすく、のちにメンテナンスが増えます。
それに比べて外気に触れない密開式は、長期的な使用を踏まえるとトータルコストがお得です。
企業や個人オーナー様にとっては、初期投資がかからない冷却塔(クーリングタワー)を選びたいところですが、省エネタイプやメンテナンスが楽なより性能が維持できる冷却塔(クーリングタワー)に変えると維持費がかからずよいのではないでしょうか。
選び方6.アフターフォロー
冷却塔(クーリングタワー)製作会社によってアフターフォローのサービスが違います。安く冷却塔(クーリングタワー)を導入しても、メンテナンスが多いとランニングコストかさみます。
おすすめ冷却塔(クーリングタワー)3選
冷却塔(クーリングタワー)の主要メーカーはいくつかありますが、やはり空研工業株式会社の冷却塔(クーリングタワー)です。その中でも、特に環境への配慮と省エネに重点を置いた冷却塔(クーリングタワー)を紹介します。
1.開放式・超低騒音型SKC-So、SKB-Sシリーズ
環境重視で選ぶなら、空研工業株式会社:開放式・超低騒音型SKC-So、SKB-Sシリーズ
空研工業株式会社の開放式低騒音型SKC-Ro、SKB-Rシリーズより、5dB低減された騒音値に重点を置いたタイプです。
騒音における環境への配慮を考えられた優れもので、働く環境の改善に役立ちます。
2.密閉式・ 低騒音KMB-Sシリーズ
トータルコストと騒音における環境重視で選ぶなら、空研工業株式会社:密閉式・ 低騒音KMB-100R シリーズ
空気と直接触れない密会開性の安全性に加えて、環境に配慮し更にメンテナンスが簡単です。また、構造の簡略化が見直されたことにより、現地での取り付け作業が早く終わるのでより安全です。
3.密開式白煙防止型・密開式・KMB-RM1,KMB-SM1シリーズ
白煙防止と低騒音で更なる環境樹脂型で選ぶなら、空研株式会社:密開式白煙防止型・密開式・KMB-RM1,KMB-SM1シリーズ
新規開発された密開式の白煙防止機能搭載の冷却塔(クーリングタワー)で、旧仕様に比べて省エネ、省スペース化されました。冷却塔(クーリングタワー)稼働時に白煙が出せない環境の場合は白煙防止型がおすすめです。
なお、製品やメーカー一覧情報は以下の記事よりご参照ください。
水を冷やすために使用される冷却塔。ビルなどの大型施設にはなくてはならない冷却塔ではありますが、どのようなメーカーが取り扱…
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)を選ぶ際は、用途や仕様、騒音基準などを考えて選定する必要があります。
必要な能力からどの機種を選定するべきかは、メーカーに相談するとよいでしょう。
空研工業株式会社は、高性能な冷却塔(クーリングタワー)を取り揃えております。
企業と個人オーナー様によりよい環境作りのお手伝いをさせて頂きます。