冷却塔の選定に役立つ!冷却能力の計算方法を理解しよう

冷却塔(クーリングタワー)の新規導入や切り替えにあたっては単に高性能な機種や、予算に合った機種を選べば良いわけではありません。
冷却塔(クーリングタワー)を必要とする目的や稼働させる場所に合わせ、必要な冷却能力を満たす機種を選ぶことが大切です。

そのために必要となる冷却能力を知るために、計算方法を理解しましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の冷却能力とは

冷却塔(クーリングタワー)の冷却能力は冷却塔(クーリングタワー)が冷却する対象物である冷却水を、どの程度冷やすべきかの目安になる数値です。

どの程度冷やすべきかは、冷凍機(チラー)などの主機が、どの程度の熱量や容量を必要としているかなどの、各種の条件をもとに算出されるものです。
あくまでも計算上の目安となるもので、実際に設置した場合に計算通りの冷却能力が得られるわけではありません。

冷却塔(クーリングタワー)の冷却能力の計算方法を知る目的

冷却塔(クーリングタワー)は大型施設のセントラル空調システムや機械室などの産業用空調システムなどを構成する装置として使用されることが多い装置です。

システムの規模や地域の気温、設置する場所の環境にもよりますが、求められる冷却処理がスムーズに行える冷却塔(クーリングタワー)を設置する必要があります。
必要な冷却能力に対して、設置した機種冷却能力が過少すぎれば、循環効率が悪くなり、スムーズにシステムが稼働しない、空調効率が悪くなって、かえって電気代がかさむなどコスト増の原因にもなりかねません。

一方で、必要以上の能力がある場合、無駄な処理能力を発揮することや導入コストが高くなるなどの無駄が生じます。
機種選定にあたっては無駄なく、効率的に使える冷却能力を持つ冷却塔(クーリングタワー)を選ぶ必要があり、そのために冷却能力の計算方法を知ることで最適な機種選定に役立てることが可能です。

その冷却能力を計算するために、まずは冷却対象である冷凍機(チラー)などの主機が、どの程度の熱量を要求しているかを算出する必要があります。

冷凍機・冷却塔(クーリングタワー)の冷却能力の計算式

冷凍機(チラー)の概略的な計算方法

冷凍機(チラー)などの主機の熱量を求める基本的な計算方法をご紹介します。
概略的な計算ですので、室温と冷却温度の差や配置による吸熱は無視していますので、実際の冷却能力とは差が生じますのでご注意ください。

冷却媒体そのものを冷却するために必要な熱量をQ1、被冷却物を冷却するために必要な熱量をQ2、循環系で必要なポンプなど動力源(χkW)の発熱量をQ3とします。

計算に必要な要素は次の通りです。

  • t1=設定温度(冷却後の温度)(℃)
  • t2=初期の温度(冷却前の温度)(℃)
  • V=使用冷却熱媒体の容量(L)
  • P=使用冷却熱媒体の比重(水:1)
  • W=被冷却物の重量(kg)
  • C1=使用冷却熱媒体の比熱(cal/g・℃)
  • C2=被冷却物の比熱(cal/g・℃)
  • H=冷却時間(hour)
  • 比熱SI単位はJ/kg・℃ですが、計算簡略化のため、1J=0.239calとしてcal/g・℃で計算します。

    計算方法

  • Q1=(t2-t1)×V×P×C1/H
  • Q2=(t2-t1)×W×C2/H
  • Q3=860×χ×0.5(効率)
  • 冷却能力は通常Wで表しますが、kcal/hで計算したほうが理解しやすいため、Q3では1kW=860kcal/hとして求めています。
    これらの計算式から得られた値に安全率として1.2~1.7を掛けると、熱量(kcal/h)が出ます。

    安全率は一般的には1.2~1.7ですが、保冷が不充分な場合はより大きく取ることが必要です。
    必要熱量が合計3500W程度以上なら安全率1.2~1.3、3500W程度以下の場合には安全率1.3~1.7程度で計算してください。

    冷却水量の計算方法

    これまで主機の熱量を求める計算方法を紹介しましたが、ここからは冷却塔(クーリングタワー)の冷却能力と関連する冷却水量や冷却水ポンプなどの量の計算方法をご紹介していきます。

    まず、冷却水量は次式の計算で求めることが可能です。

    冷却容量(W)が、主機の熱量を表す数値です。
    ⊿tは冷却水入口と出口温度差(℃)です。

    冷却水量(L/min)=冷却容量(W)×60/〔4.187(J/kg・℃)×1(kg/L)×⊿t(℃)〕

    一般に冷却塔(クーリングタワー)により冷却される冷却水温度は、外気湿球温度により変わるため、地域や設置場所に影響されます。
    冷却水出口温度と外気湿球温度差をアプローチと呼び、5℃程度を見込むのが一般的です。

    また、冷却水入口と出口温度の差である⊿tのことをレンジと呼びますが、レンジは5℃~6℃の範囲で選定するのが一般的です。

    冷却水ポンプの揚程を求める計算方法

    冷却水ポンプの揚程は配管抵抗kPa(mH2O)に冷凍機の凝縮器コイル内を通過する時の機内抵抗kPa(mH2O)、冷却塔(クーリングタワー)の水面から冷却塔(クーリングタワー)の散水吐出口までの高さである押上揚程kPa(mH2O)と20~30kPa(2~3mH2O)の吐出し水頭を加え、これに10~20%の余裕を設定して求められます。

    まとめ

    冷却塔(クーリングタワー)を新規に導入する場合や老朽化などに伴い切り替えを行うにあたっては、機種のタイプや性能、価格だけでなく、それぞれの目的や環境、使用条件に適した冷却能力を持つ機種を選ばなくてはなりません。

    そのためには冷却能力を計算する方法を知り、設置する場所や使用条件を踏まえて必要となる冷却能力を知ることが必要です。

    もっとも、冷却能力の計算は一定の条件を設定して求めることとなり、実際の運用環境とは完全には合致せず、外気の影響などを受けて、季節や時期によっても差が生じます。

    そのため、ある程度の余裕を持って安全値を設定し、余裕のある冷却能力を求めるとともに、過剰能力すぎて無駄に能力を消費しないようバランスの取れた能力を導き出すことが求められます。

    適切な冷却能力を持つ冷却塔の導入なら空研工業

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