冷却塔の排水の仕組みと排水メーターによる計測

冷却塔(クーリングタワー)の中では常に冷却水が循環しています。しかし常に同じ水が循環しているわけではありません。
自然的あるいは強制的に冷却水が減量しているのです。

ここでは冷却水が減量する仕組みであるキャリーオーバーとブローダウン説明し、冷却水が排水されなかった場合に起こる被害を2点紹介します。

また、下水道料金をコストダウンするための排水メーター設置や排水量の計測について説明します。

冷却水とは

冷却水とは空調設備や冷却塔(クーリングタワー)の中で循環している水のことです。循環水や、冷却塔(クーリングタワー)水系などと表現されることもあります。

この冷却水は、空調設備において熱交換に使われているのです。空調設備により室内を冷却するために間接的に使われた冷却水は、熱を奪って冷却塔(クーリングタワー)に集められます。
そのため、一度使用した冷却水はそのままでは再利用できません。

そこで冷却塔(クーリングタワー)の中で空気を当て蒸発させることで冷却水を冷やし、再び空調設備に循環させています。

冷却水が減る2つの原因

冷却水は循環する中で減少していきます。
主な原因は「キャリーオーバー」と「ブローダウン」の2つです。

キャリーオーバーを簡単に説明すると、冷却塔(クーリングタワー)のファンによって水分が飛散していくことで、冷却水が減少していくことです。

それに対して、冷却水を強制的に減量させることをブローダウンと呼びます。
キャリーオーバーまたはブローダウンによって減量した冷却水は、給水装置によって補給されます。

キャリーオーバーとブローダウンについて詳しくみていきます。

原因1.キャリーオーバーによる冷却水の減量

冷却塔(クーリングタワー)で冷却水を冷やすために、外気を取り込むファンが回っています。

ファンによって取り込まれた空気と接触し冷却水が冷やされるのですが、蒸発してしまう水分が、全体の1%近くあります。
加えて、ファンによって空気と共に外に飛散してしまう水分もあるのです。
冷却水がこのように自然的に減量してしまうことをキャリーオーバーといいます。

特に、開放式冷却塔では空気と冷却水が直接接触しているため、冷却水の損失は全体の水量の1~2%程度ともいわれているのです。

この排気によって含まれる水分は、外気や湿度の影響で白煙状態になることもあります。
放出される水分が無害なものであったとしても、白煙による大気汚染がされているとの誤解を受けることがあるのです。

また、高速道路や鉄道などの交通の環境によっては、白煙による視覚的な影響も発生します。

このような不安や誤解を解消するために、空研工業株式会社は開放式、密閉式ともに白煙防止型の冷却塔(クーリングタワー)の開発にも成功しています。

原因2.ブローダウンによる冷却水の減量

冷却水は、冷却水の汚染を防止するために薬剤の充填などを行っていますが、それでも水が濃縮するという現象が起こります。

目に見えない塩分や不純物が増加していくのです。
冷却水は蒸発による冷却を繰り返しますが、蒸発するのは水だけで不純物は残って蓄積していきます。

例えば、塩水を沸騰させて水分を蒸発させたら、残った水がもともの塩水より塩辛くなる原理と同じです。

この水の濃縮を避けるために、ブローダウンと呼ばれる水抜きをして冷却水を減らし、きれいな水を補給します。
ブローダウン量は、一般的に冷却水量の0.3%程度が必要であるとされています。

冷却塔の冷却水のメンテナンスなら空研工業

発生しうる2点の被害

冷却塔(クーリングタワー)の冷却水の減量に対して、キャリーオーバーにも、水の濃縮にも何も対策を取らなかったらどんな被害が起こるでしょうか。
重大な問題として設備トラブルと健康被害の2点が考えられます。

被害1.水の濃縮による冷却塔(クーリングタワー)のトラブル

冷却水の中の不純物が増え、濃度が高くなっていくと飽和状態となっていきます。
具体的にはスケールという固まりや、藻やスライムの発生です。

さらに錆や腐食が起こり、チューブや配管に穴が開くことにつながり、そこから水漏れが発生する可能性が生じます。

それだけでなく、スケールによる配管の目詰まりや熱効率も低下し、冷却塔(クーリングタワー)の運転効率を悪化させます。
冷却水のトラブルの一番の原因は水の濃縮といわれています。

快適な空調環境を保つためにも、冷却水の管理は大変重要です。

被害2.細菌の発生による健康被害

冷却水の藻やスライムなどの発生は悪臭の原因になります。
藻やスライムは、バクテリアなどの細菌や微生物、レジオネラ菌の温床です。

冷却塔(クーリングタワー)のファンが回ることによって空気の循環が行われ、キャリーオーバーにより細菌を含んだ冷却水の一部が外部に飛散してしまうのです。

過去には、冷却塔(クーリングタワー)から排出されたエアロゾルにレジオネラ菌が含まれており、健康被害が出たという例もありました。

この事例から、冷却水の衛生管理には法的な整備も行われています。

冷却塔(クーリングタワー)の排水量を減らす2つの対策

下水道料金は、基本的に上水道で使用した水量がすべて下水に流されることを前提として計算され請求されます。

しかし、冷却塔(クーリングタワー)は熱交換による冷却時に少なからず冷却水が減量し、すべてが下水として排出されているわけではありません。
冷却塔(クーリングタワー)の排水による下水料金も、非常にランニングコストがかかります。

冷却塔(クーリングタワー)の下水道料金のランニングコストを削減するために、下水道の減免制度を利用するという方法があります。
この制度を利用するためには、排水量を測定する必要があるのですが、測定する方法は2つです。

対策1.入口管理による排水量の計測

冷却塔(クーリングタワー)は使用する水量と汚水排出量が著しく異なります。
蒸発により下水道に排水されない水分が一定以上あるためです。

そのため、公共下水道に排出されない水量を申告して認定されると、下水道料金を減額することができます。

これが下水道料金の減免制度です。
認定の基準は各自治体の水道局により若干の差がありますが、必ず審査されるのは「冷却塔(クーリングタワー)の減水量が合理的根拠をもって証明できるか」です。

減水量を計測するためにはメーターの設置が行われます。
各自治体により、量水計や測定機器、控除メーターとも表現されます。

メーターは、冷却塔(クーリングタワー)の補給水部分に取り付け、その給水量を減水量とする考え方です。
原則として計量法により定められた有効期間以内の検定品を設置する、もしくは下水道局が認めるメーターを設置する必要があります。

冷却塔(クーリングタワー)の給水メーターと補給水メーターの値を差し引きすることで、減水量を計算することができるのです。
補給する部分、つまり入口の部分で水量を管理することから「入口管理」と呼ばれます。

このメーターは水道局により別途料金が加算されて検針する場合、または使用者の申請によって確認される場合など、自治体によって計量方法は異なります。

対策2.出口管理による排水量の計測

下水道料金の減免措置について、平成7年11月から計量法が改正されました。
これにより汚水量を直接測る、排水メーターの設置が認められることになります。

排水メーターとは、冷却塔(クーリングタワー)の排水が下水道に排出される部分で排水量を測る計器です。
排水される出口で水量を測るため、出口管理と呼ばれるようになりました。

排水メーターが認定されてから、下水道料金の減免申請のために減水量を出口管理にする施設は飛躍的に増えました。

しかし平成12年ころから、出口管理による減水量を新規に認定しない自治体が増え始めます。
それは出口管理による排水メーターの計測について、トラブルが急増したことが理由です。

具体的には「固形物や泡で流量が正確に測れない」「停電で排水メーターが停止してしまったため測れなかった」「汚水が排出されているのに排水メーターが計測していなかった」というもの。

特に、3点目については排水メーターが故障していないことが確認され、出口管理による排水メーターの正確性が疑われ、いくつかの自治体は排水メーターによる出口管理の認定を停止しました。

しかし、メーターの仕様や認定方法を整備し、令和2年10月から再び排水メーターの使用を許可する自治体もあらわれています。

出口管理の許可を開始した自治体の条例によると、まず排水メーターの定期検査について定めました。そして排水メーターの製造業者についても条件を満たすことが必要とされました。
排水メーターの仕様については、少量排水であっても計算する製品であることも承認要件に加えています。

ほかには停電など排水の計測が困難な状況にあった場合などに、自治体にすみやかに報告することなども盛り込まれています。

まとめ

排水メーターによって、冷却塔(クーリングタワー)から下水に排出される水量を正確に計測するためには、排水に固形物や泡などがない冷却水が排出されることが理想です。

そして、熱交換やファンにより排出される水分についても環境や健康に影響のないものが望まれます。
空研工業では、冷却水の濃縮や水質変化が無いように密閉回路を利用した密閉式冷却塔を製造しています。

密閉式冷却塔は、冷却水と空気が直接接触することが無いため、スライムや水の濃縮の変化を抑えられるのです。

空研工業は排水メーターの設置の有無にかかわらず、管理された冷却水を排水することも大切にしています。

冷却塔の冷却水のメンテナンスなら空研工業

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