【冷却塔の菌類】レジオネラ属菌の原因・被害と、繁殖させないための対策

冷却塔(クーリングタワー)の内部に発生する「レジオネラ属菌」は、人体に悪影響を及ぼす細菌です。
健康体の人には感染しにくいものの、抵抗力が低下した人には感染の可能性が高まります。

感染した場合、「レジオネラ症」を発症します。最悪の場合、命の危険性があるため予防や対策が重要でしょう。

本記事では、レジオネラ属菌が感染する原因と被害、対策をまとめます。

「冷却塔(クーリングタワー)の菌」レジオネラ属菌とは

1999年に第4類感染症と定められた「レジオネラ属菌」は、「レジオネラ症」を発症させる脅威のある菌です。

冷却塔(クーリングタワー)内部には、排気ガスや砂塵と一緒に入り込む可能性があるとされており、目に見えないため非常に脅威のある菌です。

厚生労働省による平成29年度「最近のレジオネラ症の発生動向と検査方法」によると、2017年まで感染症発症動向調査のグラフは右肩上がりを示しています。
2017年では1722名の感染者がおり、1999年の56名と比較すると30倍近くの推移で増加傾向と言えます。

同調査によれば、男女計10,310名の感染者のうち、196名が死亡。
感染者の2%を死に追いやる脅威として記されています。

レジオネラ菌は、冷却塔(クーリングタワー)を管理する人々の中で深刻な問題とされ、今後も注意を怠ることはできないものです。
以下に、レジオネラ菌が発生する原因と被害、対策を説明します。

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「冷却塔(クーリングタワー)の菌」レジオネラ症3つの原因

レジオネラ属菌による、レジオネラ症の感染は感染経路がわかってきています。

厚生労働省のまとめを参考に、原因と感染経路を紹介します。
冷却塔(クーリングタワー)に関連するレジオネラ属菌の発生原因は、一般的に20~50℃で繁殖し、特に36℃前後がより繁殖に適しているため、冷却塔(クーリングタワー)や加湿器、温泉や風呂の浴槽など人工の環境においても条件によっては異常繁殖します。

冷却塔(クーリングタワー)関係者が、レジオネラ症を発生する原因を知れば事態を防げる可能性は高まります。
特にエアロゾル感染については、注意深く意識しておかなければいけないものです。
そのため、主な感染原因を説明していきましょう。

原因1.エアロゾル感染

「レジオネラ症」は、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸引することで感染します。
「エアロゾル」とは、細かい霧やしぶきのことで、冷却塔(クーリングタワー)内部の清掃時などに冷却塔(クーリングタワー)内部の湿気を吸い込むことで感染すると言われています。

「ヒトからヒトへの感染はない」とされており、冷却塔(クーリングタワー)関係者にレジオネラ症を発症した人がいる場合、冷却塔(クーリングタワー)内部に汚染されたエアロゾルがあることになります。

エアロゾルが汚染される原因は、冷却塔(クーリングタワー)外部から入り込む空気や砂塵などにレジオネラ属菌が含まれている場合があるためです。

冷却塔(クーリングタワー)内部を完全に密閉してる場合でも、調査などで人が入るときに一緒にレジオネラ属菌が付着した土埃などから入り込みます。

万全の注意を払っていても、レジオネラ属菌の混入を防ぐのは困難と言われ、対策が難しいとされています。

原因2.吸引による感染

冷却塔(クーリングタワー)以外でも、温泉や川遊びでもレジオネラ症に感染する可能性があります。
レジオネラ属菌は、水に含まれていることがある細菌です。
そのため、レジオネラ属菌を含んだ水を飲み込んだり、空気中に含まれる水分に含まれている場合があります。

また、家庭用の水道でも手入れせず不潔な状態を継続すると、レジオネラ属菌に感染する可能性があるため、毎日の手入れを怠ってはいけません。

基本的に、水がある場所ではレジオネラ属菌が繁殖する可能性があるため、清潔な状態を保とうと心がける必要があるでしょう。

原因3.土からの感染

土壌にもレジオネラ属菌がいる場合があります。
レジオネラ属菌に汚染された腐葉土など、踏みつぶして粉塵として吸い込むことで感染すると言われています。

乾燥地帯での感染は少なく「腐葉土」が存在する場所での感染が報告されているようです。

厚生労働省の報告でも、腐葉土の粉塵を吸い込んだことが原因であるとされていますが、あくまで「推定」ですので水が関連した場所にはレジオネラ属菌がいる可能性があると考えた方がよいかもしれません。

また、実際に感染する場合でも、「レジオネラ属菌に感染した腐葉土を吸い込む」ことが原因とされています。
マスクなどを着用し、粉塵を吸い込まない努力をすれば被害は抑えられる可能性が高まります。

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レジオネラ属菌で発生しうる3つの被害

冷却塔(クーリングタワー)の内部にレジオネラ属菌が発生した場合、どんな被害が考えられるでしょうか。
主に考えられるのは、以下の3点です。

  1. 人体に被害がある
  2. 対応のため費用がかかる
  3. 感染予防で使用停止

基本的な内容ばかりですが、企業にとってはかなり損害が大きくなることがあります。
そのため、1つ1つしっかり理解しておき対策しておく必要があるでしょう。
被害について、以下で詳しく説明します。

被害1.人体に被害がある

ここまで述べてきたように、レジオネラ属菌の感染により「レジオネラ症」を発症する可能性が高まります。

レジオネラ属菌は、健康的な人は感染しにくいようですが、体調不良などが原因で抵抗力が低下した人は感染しやすくなります。

例えば、インフルエンザウイルスも同様で、健康的な人が感染した場合は軽度感染。
抵抗力が低下した人が感染すると、重症感染になる可能性が高まります。

軽度の場合、通院しなくても症状が改善する可能性が高く、重度の場合は命の危険もあります。

レジオネラ症は、感染した度合いにより人体への被害は大きく変化するため、万が一に備えて体調を整えておく必要もあるでしょう。

被害2.対応のため費用がかかる

冷却塔(クーリングタワー)内でレジオネラ属菌が繁殖しているとわかった場合、殺菌・消毒などの作業に追われることになります。

薬品購入や、業者依頼などをする場合、費用が必要になることが想定されます。
一般的な必要物資と違い、場合によっては大きな損害になる場合もあるため事前から準備するよう意識しなければいけません。

また、経費が足りないからとレジオネラ属菌を放置することはできません。
人体感染が確認されれば、医師から公的機関に通達することが義務付けられているため、隠し通せるものではありません。

当然ながら、人体被害を受ける細菌感染が予想されるため早期発見・早期解決が望まれます。

被害3.感染予防で冷却塔(クーリングタワー)の使用停止

冷却塔(クーリングタワー)内部でレジオネラ属菌が繁殖した場合、薬品等により消毒・殺菌する必要があります。
しかし、場合によっては公的機関から使用停止命令が出ることもあるようです。

細菌感染は、目で見てわかるものではありません。
専門の機器類や、時間経過とともに菌類が死滅することも想定しておかなければいけません。

殺菌・消毒作業のみの場合でも冷却水が薬品の影響を受けてしまうことが考えられ、全ての機器類を交換しなければならない場合もあるようです。

レジオネラ属菌が発生した場合、早期に対処しなければ莫大な費用が必要なだけでなく、風評被害の可能性があるため想像以上に大変な対応が強いられる可能性があるでしょう。

「冷却塔(クーリングタワー)の菌」レジオネラ属菌3つの対策

冷却塔(クーリングタワー)内部にレジオネラ属菌が発生した場合や、発生する前の対策を紹介していきます。
どの企業でも、細菌感染がおこる前に被害を食い止めたいのは言うまでもありません。
必要な対策は、以下の通りです。

  1. 体調不調者は内部に入らない
  2. 藻やスライムを定期的に除去する
  3. 定期的に薬品などで抗菌する

冷却塔(クーリングタワー)内部で作業するときだけでなく、普段の「意識」に関する内容も含まれているため、毎日徹底する必要があるでしょう。
以下で詳しく説明していきます。

対策1.体調不調者は内部に入らない

前述の通り、レジオネラ属菌は抵抗力が低下した人に感染すると重症になる可能性があります。
そのため、清掃や管理を行う場合などは、毎日の体調チェックなどを行い、体調不調者は冷却塔(クーリングタワー)内部に入るのを控えるほうが良いでしょう。

重症患者は、命の危険性もあるのがレジオネラ症です。
「ちょっとくらい大丈夫」と考えるのではなく、「万が一あったら」と考える意識が重要です。

体調不調者がいる場合には、率先して健康な人が代役をするなども必要でしょう。
最も重要なのは、常日頃から従業員の「体調チェックを徹底する」ことです。
体調不調者が多い時などには、検査日を変更するなどの配慮も必要かもしれません。

対策2.藻やスライムを定期的に除去する

冷却塔(クーリングタワー)の内部には、「藻」や「スライム」などが繁殖する場合が多いのではないでしょうか。

レジオネラ属菌は、「藻」や「スライム」を住処にしているため、放置すれば細菌を爆発的に繁殖させる原因になります。
また、藻やスライムを除去する際に、しぶきや粉じんを吸い込むなどがレジオネラ症を発症する原因になります。

そのため、藻やスライムを定期的に除去しておき、いつも衛生的な状態を保つのが理想です。

仮にレジオネラ属菌の感染を考え、従業員の手で藻などを除去しない場合、薬品を使用するなどして「藻」や「スライム」を除去する必要があります。
費用が必要になりますので、藻などが多くなる前に定期的に除去することをおすすめします。

対策3.定期的に薬品などで冷却水を抗菌する

冷却塔(クーリングタワー)でのレジオネラ属菌による感染は、大きな問題になっています。
レジオネラ症になった場合、抗菌薬を使用した治療になることが予想されます。
体内の細菌が消滅するまで薬を投与することになるでしょう。

人体での治療と同様に、冷却塔(クーリングタワー)内も薬品を使用して抗菌しておけば心配は少なくなります。
日々の清掃業務に加え、抗菌剤や除菌剤を使用してレジオネラ属菌の繁殖を抑えるようにしましょう。

「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」では、空調設備の病原体汚染を防止するため、「1カ月以内に1度定期的に点検」とされています。
さらに、「冷却塔(クーリングタワー)や冷却水の配管の清掃を1年以内ごとに1回定期的に行う」と定められています。

薬品などによる抗菌も、1度だけ行うのではなく清掃・点検時に定期的に行うようにしましょう。

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まとめ

冷却塔(クーリングタワー)で繁殖するレジオネラ属菌は、「レジオネラ症」を発症させる細菌類です。
レジオネラ症に感染した場合、重度であれば命の危険性があるため意識的に感染予防をしなければいけません。

レジオネラ属菌が与える被害は大きく、人体に影響を及ぼすだけでなく、企業の経営にも悪影響を与えかねません。

本記事で述べた対策をするよう心がけ、「定期的に」清潔な状態を維持する心掛けが何よりも重要でしょう。

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