冷却塔の管理基準とは?問題が発生する原因と対策方法

冷却塔は『クーリングタワー』ともいわれており、快適な空間を作り出す空調と密接に結びついている大切な装置です。
この冷却塔(クーリングタワー)は、きちんと管理を行わないと、あらゆる問題が発生してしまいます。

ここでは、そんな冷却塔(クーリングタワー)がどんなものなのか、そして管理基準や問題が発生した際の対策方法まで解説していきます。

冷却塔(クーリングタワー)とは

冷却塔(クーリングタワー)は、皆様もよくお世話になっているエアコンで例えると、室外機のようなものです。

よく利用されているのは、オフィスビルや大型店舗など大きな施設。
デパートの屋上などで、円柱型のドラムのような形で大きなファンが回っている装置を目にしたことがある方もいるかもしれません。

冷却塔(クーリングタワー)は、主に大型施設の空調設備や冷暖房設備に利用されることが多く、用途は冷却水を冷やすことです。
一般的には単体ではなく、冷凍機などの放熱が必要になる機械と合わせて使われることが多いでしょう。

冷却塔(クーリングタワー)で冷却水を冷やす際に、水は蒸発します。
これは蒸発するときに周囲の熱を奪うという原理を利用しているのです。

冷却塔(クーリングタワー)を問題なく安全に利用するために欠かせないのが、日頃の管理体制。
日頃の管理を怠っていると、あらゆるトラブルが発生してしまう可能性が高くなります。

冷却塔(クーリングタワー)管理で問題が発生する3つの原因

冷却塔(クーリングタワー)の簡単な仕組みを解説しましたが、冷却塔(クーリングタワー)では様々な問題が発生する可能性があります。
その原因を見ていきましょう。

原因1.外気の微生物・藻類による汚染

微生物汚染を説明する前に、簡単に冷却塔(クーリングタワー)の種類について説明していきます。

冷却塔(クーリングタワー)には、主に空気と水を接触させて効率よく冷却できる『開放式』と、銅管コイルに水を通して外気と水が未接触となる『密閉式』の2種類があります。

密閉式は管を通して散布水によって間接的に水を冷やすため、水質への影響がありません。
ただし、散布水が外気と接触するため、散布水の水処理が必要です。

逆に、開放式は外気や周囲の環境に影響されやすくなります。
外気の微生物や土ほこり等が入り込みやすくなるでしょう。

そのため、冷却水の汚染のリスクが高いのは、直接水を空気と触れさせる開放式の方です。

冷却水は微生物や藻類の増殖に最適な環境となっているのです。
また、微生物の他にも大気中にある土ボコリまで取り込んでしまうことや、散水板・充填材への日射等も、微生物が増殖してしまう原因の一つです。

この微生物や細菌、藻類などから分泌される粘性の有機物質はスライム状となり、冷却塔(クーリングタワー)の壁面や内部の充填材および配管に付着してしまいます。

原因2.腐食因子による水質の変化

冷却塔(クーリングタワー)を管理する上で重要なのが水質。

ここでいう腐食因子とは、主にアンモニウムイオン・pH・硫酸イオン・溶存酸素・塩化物イオンが挙げられます。
これらが水質悪化による不具合の大きな要因になるのです。

具体的にどんな障害が出てしまうのかは、次の項で詳しく解説します。

冷却塔大学

開放式や密閉式冷却塔で使用する冷却水や補給水の水質管理が必要です。水質検査をすることで長く冷却塔を使用することに繋がりま…

原因3.不溶解成分の付着

水中に不溶解成分があると、充填材や配管に付着してさらに堆積していきます。
これは『スケール』呼ぼれ、主にシリカ・鉄サビ・カルシウムなどの無機物です。

このスケールを放置することで様々な不具合を引き起こすのです。

冷却塔のメンテナンスなら空研工業

発生しうる3点の被害

これまで冷却塔(クーリングタワー)管理で問題が発生する原因を解説しましたが、この原因により、主に以下のような被害が発生します。

被害1.悪臭・健康被害

外気の微生物・藻類で汚染が広がってスライム状になると、冷却塔(クーリングタワー)の充填材などで閉塞が引き起こされ、ポンプの詰まりの原因にもなります。
このことにより、悪臭を放ったり健康被害を引き起こすでしょう。

中でも問題視されている健康被害が、『レジオネラ属菌』の発生によって起きるレジオネラ症。
この感染症は肺炎症状も引き起こし、最悪の場合死に至る大変危険なものです。
レジオネラ症はインフルエンザにも似た熱性疾患といえるでしょう。

このような被害を防ぐためにも、日頃の安全対策が必要です。

被害2.水質悪化と腐食による劣化

腐食因子が水質に大きく影響して腐食することにより、劣化していきます。

また、微生物汚れからも腐食していくでしょう。
腐食が進行していくと、熱交換器チューブに穴が空いてしまうなどのトラブルが起こります。

被害3.伝熱の効率低下によるコスト増大

不溶解成分、いわゆるスケールの付着を放置することで、局部腐食を起こします。
さらに、スケールが熱交換器内のチューブの伝熱面に付着してしまうと伝熱の効率が低下します。

こうなると、運転時のコストが大幅に増大してしまうでしょう。
節約面で考えても、水質悪化を防ぐ必要があります。

冷却塔(クーリングタワー)の安全を守る3つの対策

冷却塔(クーリングタワー)を使用するにあたって腐食や汚染、健康被害を防ぐために、きちんと衛生安全を守って行かなくてはなりません。
そのためにどのような対策が必要なのか、解説します。

対策1.冷却塔(クーリングタワー)・配管・充填材の定期的な洗浄

外部からのホコリや砂、微生物、藻類が入り込みやすい開放式の冷却塔は特に、洗浄せずに放置しておくとポンプの詰まりや摩擦による損傷が起こる可能性があります。

そのため、定期的な洗浄を行なって清潔を保ちましょう。
特に砂ホコリの多い地域や沿岸部では、半年を目安に点検することをおすすめします。

対策2.冷却塔(クーリングタワー)内の水質管理と定期交換

冷却塔(クーリングタワー)内の水が汚れると、ストレーナの目詰まりや、ポンプの詰まりにつながり、循環水量が減ってしまう原因となります。

水質悪化を防ぐためには、冷却水の定期的な交換が必要です。
定期的に綺麗な冷却水に交換することで水質悪化をしっかりと予防でき、細菌・藻類の発生を抑えられます。

対策3.Vベルトやベアリングの定期交換・電動機の定期点検

腐食状況や摩耗、劣化具合などを定期点検することが、不具合の予防につながります。
定期交換が必要なものは、製造元が推奨する交換サイクルにならって交換時期を決めると良いでしょう。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の不具合が起こってしまう原因や実際に起こる被害、安全を守るための対策までご案内してきました。

冷却塔(クーリングタワー)は快適な空間を作るために欠かせないものですが、きちんと定期的に点検をしたり洗浄を行わないと、不具合を引き起こす可能性が高くなります。

正しい管理基準を知っておくとトラブルも早期発見できるので、日頃から運転音や冷却水の循環状況などをきちんと確認しておきましょう。

冷却塔のメンテナンスなら空研工業

NO IMAGE
CTR IMG

〒810-0051 福岡市中央区大濠公園2番39号
TEL. 092-741-5031 FAX. 092-741-5122