冷却塔の「水の濃縮」による障害の発生への対策の一つ!ブローダウンについて解説

冷却塔(クーリングタワー)のブローダウンとは

冷却塔(クーリングタワー)を使用していると、水の濃縮が起こります。

冷却塔内では水と空気を直接または間接的に触れさせ、水が蒸発する際に熱を奪うという気化熱を利用して冷却水の温度を下げています。
当然ですが、蒸発により水量は減ってしまいますが、水に含まれるミネラルなどが蓄積して濃度が高い水になってしまいます。
これを濃縮と言います。

その結果、冷却塔内では、濃縮が進み以下で述べるような障害が発生する可能性があります。

本記事では、冷却塔で起こり得る「水の濃縮」の要因や障害、その対策の一つとしてブローダウンについてお伝えします。

冷却塔(クーリングタワー)における水の濃縮の2つの要因

冷却塔(クーリングタワー)内で水の濃縮が起こるのは、主に2つの要因が考えられます。

  1. 水の蒸発による濃縮
  2. 水質管理不足のために起こる濃縮

要因は、他にもたくさんあるかもしれませんが、この2つに絞っていいかもしれません。
しっかりと対応していくためには、要因を知っておくほうが良いでしょう。

以下で解説します。

原因1.水の蒸発による濃縮

現在使われている冷却塔の多くは「強制通風式冷却塔」と呼ばれています。
蒸発をしやすくするために送風機で外気を誘引し蒸発を促進しています。
冷却塔の原理ですから、これは仕方がありませんが、そのことを理解した上で濃縮の要因と捉えてください。

カルシウムをはじめとする色々な成分が循環水に含まれていますが、これは残ったまま水分だけが蒸発していきますから当然濃度が上がり、最終的には析出してきます。

原因2.水質管理不足のために起きる濃縮

魚を飼っている水槽をイメージしてください。

まずは、魚が住むことができるきれいな水が溜められた水槽に魚が入れられます。
魚が生きていくためにエサを与えます。エサを食べた魚は排出行為をします。
少しずつ、水槽の中の水は汚れてきます。
そのままの状態を続けるとやがて魚は死んでしまいます。
その反省から、飼い主はろ過器のついたポンプを設置し常に新しい水を補給したり、定期的に水を入れ替えたりなど水質管理を始めます。
その結果、魚は成長しながら生き続けます。

これと同じように冷却塔でも水質管理が必要です。
濃縮した水を排出し、新しい水(補給水)を入れます。これを「ブローダウン」と呼びます。

また、シーズンオフには完全に水を抜き、清掃します。
さらに薬液などを投入し、水質の維持に努めることもあります。
魚の水槽も管理なしではダメでしたが、冷却塔でも同じことです。

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冷却塔(クーリングタワー)の水の濃縮により発生しうる3つの障害

水の濃縮が起こると、どんな障害が考えられるでしょうか。
主に考えられるのは、以下の3点です。

  1. スケール生成
  2. スライムの発生
  3. 腐食

それぞれについて、解説していきましょう。

障害1.スケール生成

一般的な循環水(補給水も含む)はカルシウムやマグネシウムイオンそして塩化物イオンあるいはシリカなどを含みます。

このような循環水の濃縮が進むと、このカルシウムイオンをはじめとしてスケールとして析出します。
このスケールは「水垢」とも呼ばれますが、熱伝導率が悪く冷却塔の能力低下を及ぼすとともに空調システムの効率に悪影響を与えます。

障害2.スライムの発生

藻や細菌は、ミネラルを豊富に含む水に生息しやすい特徴があります。

また、冷却塔(クーリングタワー)の循環水は水温から言っても藻や細菌にとってちょうど繁殖しやすい状況です。
「気が付けば藻が繁殖していた」と感じるのも、濃縮された水が原因である場合が少なくありません。

障害3.腐食

循環水が濃縮した結果、スケール生成やスライムの発生があることを前述しました。
その結果、金属の表面が不均一な状態となり「局部腐食」が発生しやすくなります。
一般的に局部腐食は短期間のうちに腐食が進み、水漏れ等のトラブルになります。

水の濃縮の3つの対策

冷却塔内部で起こる「水の濃縮」は、どうすれば対策できるでしょうか。
ブローダウンに着目して、方法を解説していきましょう。

基本的にブローダウンは、以下の3種類です。
定義はメーカーによって様々ですが、いずれも「濃縮した水」は捨てる、そして「新しい水」を補給することです。

  1. 連続ブローダウン
  2. 強制ブローダウン
  3. 自動ブローダウン

ブローダウンはブロー排水と呼ばれることもあります。

対策1.連続ブローダウン

「連続ブローダウン」とは、冷却塔(クーリングタワー)の手動補給水バルブを人工的に開放し、常に水を供給し続ける方法です。

濃縮された水に、新たに給水することで濃縮を抑えられますが、オーバーフロー管からの排水となるため、割ときれいな水が捨てられる傾向にあります。
また、常に水を流している状態ですので、水道料金に影響を与えやすい方法です。

対策2.強制ブローダウン

冷却塔(クーリングタワー)には「強制ブロー装置」が設置されていることがあります。
強制ブロー装置とは濃縮した循環水の一部を排水する装置で、これを使用すれば一定量の冷却水を排水できます。

濃縮された水を捨て、新しい水を加えることで、結果的に水の濃縮を防止できます。

対策3.自動ブローダウン

業者などが販売している「自動ブロー装置」を購入し、自動的にブローダウンを行う方法です。
水野伝導率を感知して冷却水の水質が悪化すると自動で水をブローし、ボールタップにより水を補給することで濃縮を防ぎます。

水中に不純物が多いと電気が通りやすくなるという原理を利用しています。

水が汚れたときだけ作動するため、設定の仕方によっては水道代を節約できます。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)で冷却水のブローダウンが必要な理由は、水の濃縮が原因となり様々な障害が起きるためです。

ブローダウンの方法を検討し、給水するなどの対策が必要となります。
本記事を参考にしていただき、ブローダウンを検討するようにしてみてください。

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