冷却塔の「水の濃縮」に対する強制のブロー排水は必要?原因と対策を解説

冷却塔(クーリングタワー)では、冷却水を循環させて使用しています。
また、冷却水の温度を下げるときに、水を霧状にして送風機(ファン)で温度を下げる方法を使用している場合が多いでしょう。

そのため、水が蒸発する可能性が高く「水の濃縮」が起こりやすくなります。
「水の濃縮」が起こると、藻や菌類の増殖を助長するなどの原因に繋がります。

本記事では、「水の濃縮」に対応するため、原因や被害をお伝えした後、ブローダウンの方法をお伝えします。

冷却塔(クーリングタワー)のブロー排水とは

冷却塔(クーリングタワー)を使用していると、水の濃縮が起こります。
「水の濃縮」とは、冷却水など冷却塔(クーリングタワー)内部に存在する水が循環し、気化することで起こる現象です。

冷却水は、水をエアロゾル(水しぶき)に変化させて散水し、冷却ファンで吸い込む風にあてて気化させ、温度を下げています。
そのため、水の中に含まれるミネラルなどはそのままで、水が蒸発などで失われることがあります。

結果的に、ミネラルなどが蓄積して濃度が高い水が生まれます。
冷却塔(クーリングタワー)内では、冷却水を循環させているため、濃度が下がることがなく以下で述べるような被害を受ける場合があります。

本記事では、冷却塔(クーリングタワー)で起こり得る「水の濃縮」の原因や被害、対策として「ブロー排水」をお伝えします。

冷却塔(クーリングタワー)における水の濃縮の2つの原因

冷却塔(クーリングタワー)内で「水の濃縮」が起こるのは、主に2つの原因が考えられます。

  1. 水の蒸発による濃縮
  2. 送風機(ファン)による気化熱

原因は、単純なものが多いかもしれません。
しかし、しっかりと対応していくためには、原因を知っておくほうが良いでしょう。

以下で詳しく解説します。

原因1.水の蒸発による濃縮

通常、水は常温・蒸気圧でも蒸発していきます。
冷却塔(クーリングタワー)内には自然に空気が入り込むため、水は自然蒸発しています。

冷却塔(クーリングタワー)ではなく、家庭で密封した容器に水を入れておくと縁に水滴がつくことがあります。
水は放置しているだけで、蒸発を繰り返しているのが見て取れる現象でしょう。

冷却塔(クーリングタワー)内部にある水も、当然ながら自然蒸発しています。
そのため、ミネラルが蓄積される原因となることがあり、「水の濃縮」が起こる可能性があります。

原因2.送風機(ファン)による気化熱

例えば「オレンジジュース」を想像してみてください。
オレンジジュースには、ミカンの成分である糖質などが含まれます。

鍋などで加熱し、水分を蒸発させるとどうなるでしょうか。

糖質を始め、ミカンの繊維などが残ることがあるでしょう。

冷却塔(クーリングタワー)内部では、同様のことが「水」で行われています。
送風機(ファン)で誘引した風に当てて温度を下げているため、水をシャワー状にして、冷却ファンで吸い込みます。

風に当てて温度を下げているため、蒸発する速度が速くなります。

そのため、オレンジジュースで糖質が残るように、水ではミネラルが残ります。
何度も循環させていれば、ミネラルが蓄積されるのは想像できるのではないでしょうか。

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冷却塔(クーリングタワー)の水の濃縮により発生しうる3つの被害

「水の濃縮」が起こると、どんな被害が考えられるでしょうか。
主に考えられるのは、以下の3点です。

  1. 冷却塔(クーリングタワー)の動作不良
  2. 藻や細菌などの増殖
  3. 冷却塔(クーリングタワー)内部の金属破損

それぞれについて、解説していきましょう。

被害1.冷却塔(クーリングタワー)の動作不良

水に含まれるミネラルは、鉱物であることが多いでしょう。
例えば、鉄分やマグネシウムなどが含まれているため、濃縮されると硬くなります。

そもそもミネラルが豊富な水を「硬水」と呼びますが、濃縮されている水は硬水に近い性質になります。

人が水を飲むだけでも「硬水」は「飲みにくい」と感じることが多いのではないでしょうか。
冷却塔(クーリングタワー)内に流れる水も濃縮されることで、わずかながら流れが悪くなることがあります。

冷却塔(クーリングタワー)に負荷がかかることに繋がり、結果的に動作不良を引き起こす場合があります。

被害2.藻や細菌などの増殖

藻や細菌は、ミネラルを豊富に含む水に生息しやすい特徴があります。
ミネラルが豊富であれば、増殖するためのエネルギーが沢山あるため、増殖速度もあがります。

「気が付けば藻が繁殖していた」と感じるのも、濃縮された水が原因である場合が少なくありません。

被害3.冷却塔(クーリングタワー)内部の金属破損

濃縮された水には、多くのミネラルが含まれています。
そのため、冷却塔(クーリングタワー)内部の金属に付着して化学反応を起こす場合もあります。

多くの場合、金属のサビや劣化の原因になるため、ブロー排水をしながら対策する必要があるでしょう。

水の濃縮の3つの対策

冷却塔(クーリングタワー)内部で起こる「水の濃縮」は、どうすれば対策できるでしょうか。
ブローダウンに注目して、方法を解説していきましょう。

基本的にブローダウンは、以下の3種類です。

  1. 連続ブローダウン
  2. 強制ブローダウン
  3. 自動ブローダウン

「ブローダウン」は「ブロー排水」と呼ばれることもあり、同じ意味で考えていただければよいでしょう。

対策1.連続ブローダウン

「連続ブローダウン」とは、冷却塔(クーリングタワー)の手動補給水バルブを人工的に開放し、常に水を供給し続ける方法です。

濃縮された水に、新たに給水することで「濃縮」を抑えられます。
ただし、常に水を流している状態ですので、水道料金に影響を与えやすい方法です。

対策2.強制ブローダウン

冷却塔(クーリングタワー)には「強制ブロー装置」が設置されていることがあります。
「強制ブロー装置」を使用すれば、一定量の冷却水を排水できます。

冷却水の循環量に対し、新しい水と入れ替えるようにします。
濃縮された水を少し捨て、新しい水で薄めることになり、結果的に水の濃縮を防止できます。

対策3.自動ブローダウン

業者などが販売している「自動ブロー装置」を購入し、自動的にブローダウンを行う方法です。
水中の不純物が多くなると、電気が通りやすくなるため自動的に作動します。

水の汚れ具合を数値化し、一定数値以上であれば自動的に給水バルブを開いて新しい水を給水します。
水が汚れたときだけ作動するため、水道代を節約できます。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)で「冷却水のブロー排水」が必要なのは、「水の濃縮」が起こるためです。
「水の濃縮」は、自然現象でも引き起こされるため完全に回避する方法はありません。

ブローダウン方法を検討し、給水するなどの対策が必要となります。
本記事を参考にしていただき、ブローダウンを検討するようにしてみてください。

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