冷却塔の水槽の役割を紹介

冷却塔(クーリングタワー)にはモーターや散水ポンプ、送風機など、いろいろなパーツがいくつかありますが、水槽もその一つです。
冷却塔の水槽には、どのような働きがあるのでしょうか。

冷却塔(クーリングタワー)に使用されている水槽とは

「冷却塔」とは、別名「クーリングタワー」とも呼ばれている設備で、気化熱を利用して水の温度を下げ、再び冷却水として利用できるように水の冷却を繰り返す装置です。
冷却した水を循環させるために、冷却塔はある程度の水量を保有することが必要となるため水槽は不可欠なパーツであると言えます。
冷却塔には「上部水槽」と「下部水槽」の2つの水槽が設置されています。

また、冷却塔にはクロスフロータイプとカウンターフロータイプの2つのタイプがあり、それに合わせて水槽の構造も異なります。
このタイプは水と空気の流れの方式によって分けられており、クロスフロータイプは水と空気の流れが「直交流」つまり、水は上から下へ空気は横から水平に交わるように接触します。
これに対し、カウンターフロータイプは「向流」つまり、水は上から下へ、空気は下から上へと向かい合うように接触します。

上部水槽の役割

クロスフロータイプの冷却塔(クーリングタワー)には「上部水槽」と呼ばれるパーツがあります。
上部水槽の底には細かい無数の穴が開いており、そこから冷凍機などの主機で温められた冷却水を充てん材に散水します。
上部水槽にはオプション部品として蓋を取り付けることができます。
このパーツは日光を遮蔽することで藻の繁殖を防いだり、ゴミや落ち葉等の侵入を防いだりします。

カウンターフロータイプの冷却塔は、上部水槽の代わりに散水装置(散水パイプ)が設置されている場合がほとんどです。

上部水槽の目詰まりや藻の繫殖でお困りの方はこちら

下部水槽の役割

上部水槽から充てん材を流れる過程で温度を下げられた冷却水は「下部水槽」に溜められます。
下部水槽はクロスフロータイプそしてカウンターフロータイプのどちらの冷却塔にも設置されています。

下部水槽は、冷却水をスムーズに循環させるための水量、水位を保つ必要があります。
そのため、水位を保つための給水装置である自動・手動給水管、オーバーフロー管と排水管が付いています。

まとめ

本記事では、冷却塔(クーリングタワー)に付属している水槽の役割について説明しました。
上部水槽の目詰まりや下部水槽の水位などに注意して、定期的にメンテナンスを行いながら冷却塔を運用管理していきましょう。

下部水槽の水位上昇の原因と対策についてはこちらの記事をご覧ください。

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