冷却塔の下部水槽水位はなぜ上がる?原因と対策を解説

冷却塔(クーリングタワー)の点検を行うと、下部水槽水位が上がって冷却水がオーバーフローしていることがあるかもしれません。
冷却塔は冷却水の一部を蒸発させることにより、冷却水を冷やしています。
そのため、蒸発した分とキャリーオーバーで飛散した分を補給しないと冷却水は基本的には減っていくのが当たり前です。
水位が必要以上に上がるという事は明らかに「異常」で、必要としない水が入り込んでいるという事になります。

冷却塔(クーリングタワー)の下部水槽水位とは

冷却塔(クーリングタワー)の下部水槽水位とは、わかりやすく言えば冷却塔がスムーズ且つ安定して運転出来る水位のことです。

通常であれば、運転水位を中心に上下はしますがある範囲内に収まるように工夫されています。
最低運転水位や止水水位そしてオーバーフロー水位などがあり、これを基にボールタップという自動給水装置の位置やサイズが決められ、スムーズ且つ安定運転が出来るようになっています。
意図してブローダウンしたりしない限り、オーバーフロー水位以上になることは通常ありません。
何か特異なことが起きているから水位が上がり、オーバーフロー管の上端を越えて水が溢れ「オーバーフロー」という状況になる訳です。
それでは推定出来る原因を探っていきましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の下部水槽水位が上がる原因

それでは水位が上がる原因を推定します。

原因1.給水バルブが開きっぱなし

通常、給水管には2本の配管があります。一つはボールタップが取り付けられている管で自動給水管、もう一つは何も取り付けられていない手動給水管です。
「バルブが開きっぱなし」と言うのは手動給水管のバルブのことになります。
手動給水管は冷却塔の運転開始時に下部水槽に水を張ったり、清掃を行う時にだけバルブを開け、それ以外は常に閉めておきます。
つまり、「常時閉」となります。通常、配管のバルブのところに「常時閉」と書かれたプレートが掛けられているのを見ることがあります。
冷却塔運転中の給水はボールタップが取り付けられている自動給水管で行いますのでこちらは常時バルブを開けていますのでこちらは「常時開」となります。
「常時開」ですが、ボールタップが正常に動き、機能していれば自動的に水の調整を行いますので水が溢れることはありません。
と言うことは、下部水槽水位がオーバーフロー水位を超える原因としては、手動給水管のバルブが開きっぱなしになっていることが考えられます。
閉め忘れが原因となることが多いのですが、これを防ぐためには点検や清掃を行ったあと、必ず「指差呼称」でバルブが閉まっていることを確認するしかありません。

原因2.ボールタップの異常

次に考えられる原因が、「ボールタップ」の故障です。ボールタップという部品は水位を一定に保つ役割を担っています。
身近な例を挙げると、トイレのタンク内で浮かんでいるボールと弁部が丸棒で連結されているものを見たことはありませんか?
実はこれが「ボールタップ」と呼ばれるものです。
下部水槽の水位の変化によってこのボールが浮力により上下に移動します。水位が下がればボールは下がり、その結果弁が開き、水が吐出されます。
水位が上がり、止水レベルまでボールが上昇すると弁が完全に閉まり、給水はストップします。これがボールタップによる自動給水の仕組みになります。
実はこのボールタップが何かの原因で故障し、弁が開いたままになって給水が止まらなくなっていることがオーバーフローの原因の大半を占めています。
水位が上がるということに焦点を絞れば、ボールタップの位置が上昇せず、下がったままということが考えられます。弁部の弁が閉じないとう状態です。
ボールタップ本体の上下する機構がスケール付着などにより、動かなくなっていることが考えられます。
また、ボールは上下しても弁内部の部品が劣化し水が止まらなくなっている場合も考えられます。
その他、ボールが上昇するのを妨げるような物が冷却塔の中に配置されていることもあり得ます。

原因3.給水配管の破損

あまり起きる事ではないかもしれませんが、大きく二つの原因があります。「腐食」と「凍結破損」が考えられます。
「腐食」は冷却水の濃縮による水質の悪化が原因と考えられますが、あまり多くはないと考えられます。
「凍結破損」は読んで字のごとく、寒冷地において給水系統の水が凍ってしまうことによる配管やボールタップ本体の破損です。
水が凍ると体積が増え、その結果配管や、ボールタップ本体まで破損しますので、徹底した凍結対策が必要です。
詳しくは下記の記事に詳しく書かれていますので、時間があればご参照ください。

冷却塔大学

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発生しうる被害

ここでは冷却塔(クーリングタワー)の下部水槽水位が上昇することによって、発生しうる被害を紹介します。

被害1.水道料金がかさむ

下部水槽水位が上がり続けてオーバーフローするということは、それだけの水が溢れているということです。
冷却塔の下部水槽内にはオーバーフロー管というものが付けられていて、水位が上昇した際に下部水槽全体から水が溢れないように水を外部へ逃がしています。
また、計画的に濃縮を避けるために「ブローダウン」と言って、濃縮した水を排水することがあります。これは言わば、冷却塔を守るために必要なものであり、これは無駄とは呼びません。

しかし、今回紹介した内容での予期せぬ給水は水道料金が計画外でかさむことになるでしょう。

冷却塔のオーバーフローが連続していると、多額の水道料金がかかってしまいますので、緊急性こそないもののかなり痛い被害だと言えます。

冷却塔のピット水位対策なら空研工業

被害2.水処理剤が無駄になり、費用もかさむ

下部水槽水位が上がり、常にオーバーフローするということは、それだけ水が無駄に外へ逃げているということなりまです。
それだけではなく、折角投入した水処理剤も一緒に冷却塔外に排出してしまうことになります。
水道代だけではなく、水処理の効果が低下するだけではなく、コストまで無駄になってしまう可能性もあります。

冷却塔の下部水槽水位上昇に対する防止策

最後に冷却水のピット水位上昇に対する防止策を紹介します。

防止策1.給水バルブが閉まっているか確認

まず下部水槽内の水位が上がって水がオーバーフロー管からあふれている場合には、手動給水管のバルブが閉まっているか確認してみてください。

もし、開けっ放しの状態ならば、それを閉めるだけで改善します。
また、今後このようなことがないような対応策も必要になってくるでしょう。
「指差呼称」も対応策の一つですし、給水量が見える(管理できる)ようにすることも有効だと思います。

防止策2.ボールタップの点検

水位が上がる場合は、前述のように手動給水管のバルブの閉め忘れやボールタップの異常が圧倒的に多いです。
ボールタップ周囲に異物が付いていないか、ボールの作動を邪魔するものがないか等、点検員が浮きを上げてしっかりと水が止まるか確認しましょう。

異物が付いて動かない場合にはその対象物を除去して、正常に作動するようにします。
ボールが正常に動くにもかかわらず、止水出来ないようならば、ボールタップの交換や修理が必要になってきます。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)からオーバーフローを発生させないようにすることは難しいことでは無いようです。しかし、日常点検が大変重要です。

それほど緊急性がある症状ではありませんが、水道料金がかさんだり、水処理剤がムダになるなど後々にダメージを与えることにつながりますので、しっかりと対処していきたいところです。。

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