冷却塔とバイパス弁の関係とは?役割や制御理由を解説

循環水にて、大型施設などの空調管理はされています。
温度管理などは冷却塔(クーリングタワー)や冷凍機などの機器によって行われるのですが、循環している冷却水のすべてが冷却塔(クーリングタワー)を通るわけではありません。

冷却水のすべてを冷凍機に流してしまえば、運転条件によっては冷凍機にさまざまな支障をきたしてしまうのです。
それを防ぐために、バイパス弁を設置することがあります。

冷却塔(クーリングタワー)や冷凍機に密接するバイパス弁ですが、どのような役割を果たしているのでしょうか。
そこで今回は、バイパス弁と冷却塔(クーリングタワー)の関係性、バイパス弁の役割や制御する理由について解説していきます。

冷却塔(クーリングタワー)とバイパス弁の関係性とは

バイパス弁は簡単にいえば、裏方のような存在。

冷却水は冷却塔(クーリングタワー)を通り、冷凍機へと送られる仕組みになっていますが、冷凍機に送られる際の冷却水の温度と大きく関わっているのです。
そのため、冷却塔自体と間接的に関係しています。

冷却塔は、気化熱を利用し冷却水の温度を下げています。
気化熱を利用していることから、季節により変わる気温に左右されます。

特に冬場などは冷却水が冷えすぎてしまい、冷えすぎた冷却水がそのまま循環し冷凍機に戻ると、冷凍機に支障をきたします。

そこで温められた冷却水の一部をバイパス弁を切り替えることでバイパス路に通し、冷却塔(クーリングタワー)で冷やした冷却水と合わせることで温度調節を行います。

裏方ではありますが、バイパス弁はなくてはならない存在です。
バイパス弁の存在は、冷凍機の寿命を延ばすことにつながります。

バイパス弁の種類と役割

冷却水の温度調節に必要なバイパス弁。

ひと括りでバイパス弁と言いますが、弁には種類があります。
バイパス弁の種類と役割について見ていきましょう。

バイパス弁の種類

バイパス弁には二方弁と三方弁と、2種類の弁があります。
弁を動かすことで、二方弁は2つのバイパス路、三方弁には3つのバイパス路に分かれます。

バイパス弁の役割

バイパス弁は循環する冷却水の水量を調節する弁です。
開・閉によって水の量を調節するため、季節や気候などによって開け加減は異なります。

調節する上では、とても大切な部分です。
ここが開いていなければ当たり前ですが、循環する冷却水はバイパス路を通り冷却塔出口に行き、温度調節することはできません。

夏場など冷却塔(クーリングタワー)に循環水を通しても冷却に支障がない場合は、バイパス弁は完全に閉め、バイパス回路に循環水が行かないようになっています。

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制御方法の種類

循環する冷却水を制御したり、温度管理をしたりすることで冷却塔(クーリングタワー)を含む機器の保護を目的とする方法ですが、制御する方法には2通りあります。
それぞれの方式について、詳しく見ていきましょう。

1.バイパス弁を用いたバイパス制御

上記で解説したバイパス弁を用いた制御方法です。
冷却塔(クーリングタワー)に冷却水を送る入口配管と出口配管の間に、別の通り道(バイパス路)をつけることで冷却塔に送られる循環水量を制限します。

バイパス路を作ることにより、冷却水の一部もしくは全部を直接冷却塔出口の配管へと送り、冷却塔(クーリングタワー)を通った冷却水と混ざることで温度調節される仕組みです。

この方法によって、冷凍機に送られる冷却水の温度を守ることができます。
また、冬場の温度が低いときも冷凍機に支障を与えることも少なくなるのです。

制御の仕方は、下記のような工程で行われます。

循環水が通る入口と出口配管につながるバイパス路に、水量をコントロールするバイパス弁を設置。
冷却塔(クーリングタワー)に近い出口から送られてきた冷凍水の温度を検知し、温度調節計にてバイパス弁の開放具合を決めます。
バイパス弁を開放させることにより、冷凍機への入口水温の調節をし、設定された温度以下に冷凍水がならないよう制御されているのです。

しかし、バイパス弁での制御だけではしきれないこともあります。

その条件とは、冬期など冷却能力を発揮することがないのにも関わらず、夏期と同じパワーで稼働したために散布水や冷却水が凍結した場合です。

この場合は循環水量の制御以外に、ファンによる運転制御も同時に行い、温度管理をします。

従来のやり方では温度制御をせず、冷却塔(クーリングタワー)の運転方法は固定されていることがほとんどでしたが、現在は最適な温度を管理できるシステムが構築されつつあります。

2.ファンによる運転制御

こちらはファンを使った制御方法です。

運転の仕方で制御を行い、冷却塔出口から出てくる循環水の温度管理をしていきます。
ファンによる2種類の運転制御の方法を解説していきます。

1.ON/OFFによるファンの制御

冷却塔(クーリングタワー)の出口温度を温度調節計で検知し、あらかじめ設定した温度になるようファンをON/OFFの切替にて温度を調節します。

やりやすい方法ではありますが、ファンのON/OFFをするにはモーターの回転が関係するため、発停回数が制限され思うように温度制御がしにくいです。

そのため、ON/OFFのみで温度制御をすることはとても難しく、期待はできません。

2.インバータを使用しファンの回転数を制御

ON/OFFの切替だけでは温度制御が難しいため、モーターにインバータを設置し回転数のコントロールを行い、冷却塔(クーリングタワー)の出口温度を調節します。

そもそもモーターは独自の原理で回転しているので、手を加えることができません。
周波数をコントロールできるインバータを装置し、これによって回転数を変えることができるのです。

自由にできる反面、注意しなければならないこともあります。
それが周波数の変更により交流抵抗が落ち、本来であればモーターに来ることのない電流が流れ破損や火災などの原因に。
それらを防ぐためにも、電圧も一緒に変化する専用のインバータを設置することで、その問題を回避することができます。

また、周波数によっては共振現象と呼ばれる振動が出てくることもあります。
もし出てきてしまったら、周波数ジャンプ行い、出てきた周波数での連続運転を避けるようにしなければなりません。

回転数のコントロールには欠かせないインバータ。
これなしにはコントロールは不可能なのですが、どのような装置なのか簡単に説明します。

電気は交流と直流に分けられますが、周波数や電圧を好きなようにするには電気の流れを変えなければなりません。
そこで登場するのがインバータになります。
インバータは交流のものを直流にし、再び交流に戻すことができる装置なため、ファンの回転数を制御したいときなどに活躍する装置です。

循環水を制御する理由

なぜ、循環水量の制御や温度管理をしなければならないのでしょうか。

それは、冷凍機の安定稼働・保護のためです。

冷凍機を安定に稼働させるには温度差がポイントです。
ここでいう温度とは、冷却水出口温度と冷水出口温度のことで、この差が冷凍機を安定に稼働させています。

冬場は温度が低くなるので、稼働時の冷却水出口温度と冷水出口の温度差がありません。
連続稼働させることで温度差が大きくなり、安定した稼働になります。

このとき、冷却水の下限値温度がポイントになります。
多くの場合、冷却水入口温度を見直していますが、冷却水出口温度が下限値温度に関係しているのです。
たとえ、入口温度が低くても出口温度が高ければ、循環水を制御することなく通した状態と流量が少ない状態でも効率よく稼働できます。
この方法を取ることにより、冷凍機の安定稼働と保護することが可能です。

しかし、冬場は冷却塔(クーリングタワー)のファンの回転数、および循環水量の制御をしなければなりません。
夏場と同じ条件で稼働すると効率が悪くなる可能性があります。

循環水を制御することは、機器を保護しつつ、安定した稼働を実現させるのに必要不可欠な工程といえるでしょう。

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