冷却塔のオーバーホールが必要な理由とは?行うべき場所や方式を解説

冷却塔(クーリングタワー)は常に正常に稼働するように保つことが大切です。
日頃のメンテナンスに加え、オーバーホールを実施することで冷却機能の低下や突然の故障やトラブルの発生を防ぐことができます。

冷却塔にオーバーホールが必要な理由や行うべき内容について見ていきましょう。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールとは

オーバーホールは通常の定期点検や保守整備では確認できない箇所などを開放し、分解して点検を行い、老朽化した内部の部品などを交換する作業です。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールとしては、冷却ファンやポンプ類、充てん材の交換などが挙げられます。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールの役割

オーバーホールは現状の冷却塔(クーリングタワー)の状態を把握することで、問題なく継続的に使用し続けられるよう、将来の安心を確保する積極的な予防保全メンテナンスです。
故障した場合や動かなくなってオーバーホールを希望される方や修理の一環としてオーバーホールを行うこともありますが、問題なく稼働している状態でも行うのが望ましいものです。

一定の耐用年数が経過しているケースをはじめ、過酷な環境で使用されているケースや運転時間が長い場合には年数を経過していなくても、定期的にオーバーホールを行うことで、突然の故障やトラブルを予防できます。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールの仕組み

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールでは、通常の保守点検では分解点検できない密閉箇所を定期的に分解整備を行うことや内部の部品などの交換が行われます。
日常の点検データや運転状況などを確認したうえで、設備の延命や性能回復を目的に必要なオーバーホールメニューが実施される仕組みです。

時計など小さな機械では、すべての部品を分解して洗浄し、劣化した部品交換を行って組み立て直すといった作業をオーバーホールと呼んでいます。

一方、冷却塔の場合、使用環境や予算などを踏まえて冷却塔のファンだけ、ポンプ類だけ、充てん材の交換だけなどもでき、計画を立てて行っていくことも可能です。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールの方式

冷却塔(クーリングタワー)のファンは温まった冷却水を、気化熱を使って冷やして循環させる役割を担っています。
突然壊れて動かなくなる前に定期的なオーバーホールが求められます。

オーバーホール内容として、モーターの分解点検・軸受の更新・外扇の更新・羽根の更新等があります。一式更新も選択肢の一つですしコスト的にも優位になることもあります。

冷却塔のポンプ類も運転時間が長くなれば劣化が進みます。
ポンプのメカニカルシール部の損傷をはじめ、軸受も摩耗していくため、交換によるオーバーホールが必要です。
ファンと同様に一式交換も有効な手段です。

冷却塔の充てん材とは循環水が外気と熱交換される部分であり、とても重要なパーツです。
充てん材に問題が生じると熱交換効率が低下し、圧力損失の増加により無駄なエネルギーを浪費してしまうので注意しなくてはなりません。

冷却塔の充てん材の耐用年数は日本冷却塔工業会(JCI)では、7年と定めています。
運転状況や周囲環境によって異なりますが、劣化が深刻化する前に早めのオーバーホールを行うことが大切です。

7年を目安に、定期的な充てん材のオーバーホールをすることが求められます。

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冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールの構造

オーバーホールは経年劣化などによって故障や不具合が生じた時点で依頼されるケースも多いですが、できる限り劣化が深刻化する前に行うことが大切です。

冷却塔(クーリングタワー)のオーバーホールの内容としては内部の調査と汚れなどの洗浄や、劣化した部品や消耗部品の交換です。

特に充てん材は冷却塔の要となるパーツですので、定期的なオーバーホールが欠かせません。

ポリ塩化ビニル樹脂で作られているため、長く使用するにつれ、温度や紫外線などで劣化し、割れや変形が生じやすくなります。

また、充てん材にスライムやスケールなどが付着すると通風抵抗が増加し、通過風量が減少してしまいます。
すると、熱交換効率が低下して、循環水の温度が下がらなくなってしまうことになります。

散水も均一に行えなくなり、循環水の温度が下がらなくなり、エネルギー効率を低下させてしまうのが問題です。

オーバーホールを通じて充てん材の早めの交換と洗浄を行うことで、冷却塔本来の性能を蘇らせ、クリーンな状態を保てるようになります。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の正常な機能を維持するためには日常的なメンテナンスや保守点検に加え、定期的なオーバーホールも必要です。

特に冷却機能に重要な役割を担っているファンやポンプ類、充てん材を中心に計画的にオーバーホールを行うことが求められます。

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