冷却塔の飛散水と飛散水量について解説

本記事では、飛散水およびその量、全体としての損失水量について説明します。

冷却塔(クーリングタワー)の飛散水量とは

冷却塔(クーリングタワー)の飛散水量は、一般にキャリーオーバ(飛散損失)と呼ばれています。
送風機からの吐出空気に混じって放出される水滴とルーバから飛散する水量を合わせたものです。

ここではまず、冷却塔の水と空気の接触の仕方によって異なる飛散水の違いについて説明します。

水と空気の接触方法による方式の違い

冷却塔では大まかに言えば、循環水と空気を直接接触させるのが「開放式」、循環水と空気が接触しないものが「密閉式」となります。
ただし、「密閉式」でも散布水は空気と直接接触しますので、飛散水については冷却方式の違いはほとんど関係ありません。

水と空気がどのように接触するかによって2種類に分類できます。
まず水は上から空気は下から向い合せる方法を、向流型(カウンターフロー方式)といいます。
一方で、向流型に対し、水は上から空気は横からと直角に当てる方法が、直交流型(クロスフロー方式)です。

カウンターフロー方式もクロスフロー方式も、取り込まれた外気は冷却塔上部にあるファン(送風機)によって外に吐出されます。
これが冷却塔の送風機からの飛散水です。このほかに前述したようにルーバから飛散するものもあります。

一般に冷却塔では、「開放式」にしても「密閉式」にしてもカウンターフロー方式よりクロスフロー方式の方が飛散水量は少ないとされています。

クロスフロー方式の開放式冷却塔の導入なら空研工業

密閉式冷却塔の仕組みと飛散水

密閉式冷却塔では熱交換によって温められた循環水が、熱交換部に敷設された配管の中を流れていきます。
前述しました循環水と空気が非接触であるということです。
この配管を銅管コイルといいます。
一方で、上部水槽から配水箱を通って散布水が熱交換部の充填材に流れ落ちています。

この散布水が「開放式」の循環水と同じように冷やされ、銅管コイルを通じて銅管コイル内の循環水を冷やす仕組みです。

循環水と外気は直接触れ合わないため、水質の変化もほとんど無く、開放式冷却塔と比べて循環水を衛生的に管理できます。

冷却水との熱交換によって蒸発した散布水は、クロスフロー方式で取り込まれた外気と共に、冷却塔上部のファン(送風機)によって外部に放出されます。

このときに放出された散布水が、密閉式冷却塔の飛散水です。

飛散水量を含む損失水量の計算

冷却塔(クーリングタワー)の損失水量の計算は、冷却塔の設置計画に必要となる場合が多いと考えられます。
損失水量をあらかじめ計算することで、下水道料金の減免措置を受けることができるかもしれません。(自治体によって取り扱いが異なる場合があると思われます。)

基本的に下水道料金は、上水道で使用した水量がすべて下水に流されることを前提として計算されています。
しかし冷却塔は、補給した水量がすべて下水道に排出されるわけではありません。

冷却水や散布水が、熱交換のために蒸発する蒸発量に加え、飛散水量も実際には排出されることはありません。

そのため、冷却塔が設置されている自治体は、冷却塔をもつ施設に対して下水道の減免措置制度を設けています。
下水道の減免制度を利用し、ランニングコストを抑えるために、循環水の損失水量を計算することは重要です。

空研工業では、飛散水量(キャリーオーバ量)は循環水の0.05%であると計算しています。
補給水量を計算する上では安全を見越して、さらに高い数値を設定しています。

参考URL:https://www.kuken.com/electro/catalog02/HTML5/sd.html#/page/44

・蒸発量の計算(WE)kg/h
WE=(Tw1-Tw2)×L×Cp÷2520
Tw1:入口水温(℃) Tw2:出口水温(℃) L:循環水量(kg/h) Cp:水の定圧比熱(4.2kJ/kg℃)
2520:水の蒸発潜熱(kJ/kg)

一般空調用の出入口水温差は5℃ですから各項に数値を代入して計算すると、蒸発量は循環水量の0.83%となります。

・キャリーオーバ量(WD)kg/h
塔体の構造、通過風速などにより変化しますが、開放式冷却塔の場合循環水量の0.05%程度です。

・損失水量(補給水量) (△L)kg/h
上記2項の合計となります。
△L = WE + WD = 0.83 + 0.05 = 0.88%
冷却塔を実際に運用するにはこれに安全を見越して、循環水量の1.3~1.5%程度とします。減免処置を受ける場合は、自治体の指示に従ってください。
・(参考)ブローダウン量 (WB)kg/h

空気中の汚染物質の量・補給水の水質・濃縮倍数などによって変わりますが、空調用の場合は一般に循環水量の0.3%程度が必要であると言われています。
これは、循環水の濃縮を防ぐために、強制的に排水するとともにきれいな水を入れることで自治体への減免処置には入れられません。

まとめ

空研工業ではキャリーオーバを極力少なくするよう努めております。
下水道料金の減免とは相入れませんが蒸発量と比較するとその量は少なく、
キャリーオーバ量を減らす=水の使用量を少なくすることが冷却塔メーカーの使命と心得ております。

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