冷却塔の温度差はなぜ必要?

冷却塔(クーリングタワー)の温度差はなぜ必要なのか知っていますか?
温度差とは何なのか、冷却塔の原理や仕組みを説明しながら、温度差が必要な理由をご紹介します。

冷却塔(クーリングタワー)の温度差とは

「循環水入口」の温度と、「循環水出口」の温度の差、つまり「入口水温ー出口水温」をレンジといいます。
「出口水温ーWB」をアプローチと言います。

「入口水温」は冷却塔(クーリングタワー)に供給される循環水の温度です。
「出口水温」は冷却塔が冷やして冷凍機に戻す循環水の温度です。これは冷凍機あるいは熱源機器の使用で決まります。
「WB」は冷却塔の設置場所の外気条件です。

例えば、「入口の水温」を一定に保った状態では、「WB」が低くなる冬期にはレンジが大きくなります。

温度差の実情

ここでは「ターボ冷凍機」を主機としてその例を示します。
冷却塔(クーリングタワー)と主機である冷凍機の間では冷却水と呼ばれる水が絶えず循環しています。

冷却水は以下のように循環しています。

  1. 温められた冷却水は、冷凍機から冷却塔に送られる〔37℃〕
  2. 充填材(熱交換機)に散布される
  3. 蒸発潜熱により冷却水が冷える
  4. 冷やされた冷却水は冷凍機に戻る〔32℃〕
  5. 冷却水は冷媒からの熱によって温められる(凝縮工程で冷媒より熱を奪います)〔32℃→37℃〕

冷却塔は『冷却水を冷やす』という役割を持っています。
上記の工程が正常に行わなければ、冷凍機で冷水を作り出すことができなくなり、その結果冷風が作れなくなります。
参考)ターボ冷凍機の場合、冷水は〔12℃→7℃〕、つまり7℃という低い温度を作り出します。
他の装置でこの冷水に風を当てることにより、冷風が作り出され快適な環境が作られているのです。
このために冷却塔は「温度差」を作り出しているのです。

冷却塔(クーリングタワー)の仕組み

それでは冷却塔で実際に起こっている温度変化について見ていきましょう。

潜熱と顕熱

冷却水を冷やす仕組みには、「潜熱変化」と「顕熱変化」が利用されています。
ほとんどが「潜熱」によるものと考えて良いと思います。

  • 潜熱変化:水が蒸発することを利用(約80%程度と言われています。)
  • 顕熱変化:空気と冷却水との温度差を利用(約20%程度と言われています。)

潜熱変化は、例えば、真夏に地面に打ち水をします。
このとき、水(液体)が地面の熱により蒸発して、水蒸気(気体)へと変化するため、気化熱(潜熱)が奪われ、地面の温度が低下します。

顕熱変化は、例えば、お風呂のお湯が熱すぎるときには水を足して温度を下げます。
お湯という状態は変化せず、温度だけが変化することを「顕熱」といいます。

実は冷却塔(クーリングタワー)を使用することで、気温(乾球温度)より冷却水の温度を低くすることは可能です。
しかし、WB(湿球温度)より低くすることはできません。

アプローチとレンジ

蒸発を利用した水冷式の冷却塔(クーリングタワー)は、アプローチとレンジの2つが重要となります。

外気湿球温度は、蒸発による冷却(放熱)が止まる温度と考えて良いです。
そのため、湿球温度は気温(乾球温度)より高くなることはありません。

冷却水の温度が設定通りに下がっていない場合は、以下の問題が考えられます。
ポイントを押さえて対策を考えましょう。

  • 実際の湿球温度(WB)が設定値よりも高くなっている
    日本国内では、現状27℃の設定が多いですが場合によっては27.5℃あるいは28℃もでてきます。これは地域や設置場所など色々な条件で変わってきます。
  • 入口水温が設定値よりも高くなっている
  • 冷却塔(クーリングタワー)のメンテナンス不足により冷却効率が低下している

他にも要因があるかもしれませんので、不明な場合は空研工業にご相談ください。

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まとめ

冷却塔(クーリングタワー)は大気圧の下、「冷却水を冷やす」ことを繰り返しています。
日本には四季があり、外気の条件も大きく変化します。
これに比べ、冷凍機はほとんどが地下室にて堅牢な容器の中で「7℃」という冷水を作ることを繰り返しています。
外気の影響はほとんど受けないと言っても良いと思います。
この説明をした上で、冷却塔の「一般的な特性」ということでまとめてみます。

  1. 出口水温を外気湿球温度(WB)以下に下げることはできない。
  2. 外気湿球温度(WB)が低くなる冬期には出口水温は設定値よりも低くなる。(入口水温を一定にすればレンジが大きくなります。)
  3. 外気湿球温度(WB)が設定値よりも高くなると出口水温は設定値よりも高くなる。(入口水温を一定にすればレンジが小さくなります。

入口水温、出口水温は主機によってほぼ決まりますが、外気湿球温度(WB)についてはどのように設定するかで冷却塔の性能が左右されることがわかりました。
外気は一定ではありませんし、温暖化の傾向もありどのように設定するか難しいですが、大きな要素となることが理解できたのではないかと思います。

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