冷却塔の温度差はなぜ必要?仕組みや構造を見てみよう

冷却塔(クーリングタワー)内部でなぜ温度差が発生するのか知っていますか?
冷却塔(クーリングタワー)の構造を知りながら、温度差が必要な理由をご紹介します。

冷却塔(クーリングタワー)の温度差とは

「循環水入口」の温度と、「循環水出口」の温度の差を冷却塔(クーリングタワー)の温度差といいます。

循環水(冷却水)の温度を下げるときに起こる変化は、以下の2つです。

  • 顕熱量の変化:冷却塔(クーリングタワー)に取り込まれた空気と、冷却水が触れることで起こる
  • 潜熱量の変化:冷却水の一部を蒸発させ、冷却水自体の温度を下げるために起こる
  • 例えば、入口の水温を一定に保った状態では、温度差は特に冬場になると大きくなります。
    温度差が大きいと、通常の能力以上のパワーを発揮することも。
    そのため、冬場は仕様以上の能力を発揮しやすい環境です。

    また、循環水の温度は、冬になると過冷却現象が起こったり、湿球温度が氷点下より下がることもあります。
    そのような環境下では、散布に使用する水が凍結する可能性があります。

    凍結すると、温度を下げることができません。
    そのため、凍結防止対策を行う必要があります。

    温度差の役割

    冷却塔(クーリングタワー)では冷却水と呼ばれる水が、絶えず循環しています。

    冷やすことを目的としているため、クーラーや冷凍機などとセットで設置されます。
    クーラーなどは冷たい風がでてきて、快適な環境を作ります。

    しかし、反対に冷却水は熱を帯びていきます。熱いままの冷却水を使っていても、クーラーから出る空気は冷たくありません。

    また、冷却水がさらに熱を受け入れるには、冷えなければいけません。
    クーラーや冷凍機などが正常に稼働するために、冷却水を冷やすことは大切なプロセスです。

    温められた冷却水が冷えるために、以下のプロセスを経ています。

           

    1. 温められた冷却水は、クーラーや冷凍機から冷却塔(クーリングタワー)に送られる
    2. 充填材(熱交換機)に散布
    3. 蒸発潜熱により冷却水が冷える
    4. 冷やされた冷却水はクーラーや冷凍機に戻る
    5. 冷却水は冷媒からの熱によって温まる
    6.     

    冷却塔(クーリングタワー)で『冷却水を冷やすこと』は、大切な役割りです。
    上記の工程が正常に行わなければ、クーラーや冷凍機で冷たい風を作り出すこともできません。

    温度変化の仕組み

    冷却水が冷える仕組みは、温度変化を利用しています。
    実際に起こっている温度変化について見ていきましょう。

    潜熱移動と顕熱移動

    実際に、冷却水が冷える仕組みには、「潜熱変化」と「顕熱変化」を利用します。

  • 潜熱変化:水が蒸発することを利用
  • 顕熱変化:空気と冷却水との温度差を利用
  • 潜熱変化は、例えば、真夏に地面に打ち水をします。
    すると、地面の温度が低下。このとき、水(液体)が地面の熱と一緒に蒸発して、水蒸気(気体)へと変化するためです。この変化のことを「潜熱」といいます。

    顕熱変化は、例えば、お風呂のお湯が熱すぎるときには水を足して温度を下げます。
    お湯という状態は変化せず、温度だけが変化することを「顕熱」といいます。

    冷却塔(クーリングタワー)を使用することで、気温(乾球温度)より冷却水の温度を低くすることは可能です。

    冷却水は少しずつ蒸発します。
    このときの「蒸発熱」の作用で、冷却水の温度が低下。
    長時間空気に触れさせておくと、湿球温度まで低下します。

    これは、湿球温度計の湿球部で起こる現象と同じです。
    同じ現象が起こることで、空気との熱のやり取りでと均衡を保ちます。

    ただし、実際は冷却塔(クーリングタワー)などを稼働させるには、お金がかかります。
    冷却水と空気の接触時間は限られるのが現状であり、経済面を考慮して、通常は湿球温度まで冷却水の温度を下げることはありません。

    外気湿球温度と循環水入口温度の差

    蒸発を利用した冷却塔(クーリングタワー)は、「外気湿球温度」と「循環水出口温度」の「差」、および「循環水入口温度」と「循環水出口温度」の「差」の2つが大切です。

    外気湿球温度は、蒸発による冷却でなければ到達しない最低温度です。
    そのため、湿球温度は気温(乾球温度)より高くなることはありません。

    効率よく温度を下げなければ、電力をたくさん使ってしまったり、部品の劣化に影響することも。
    そのため、温度差を利用することで、冷却水の温度を効率よく下げる仕組みになっています。

    冷却水の温度がうまく下がっていない場合は、以下の問題が考えられます。
    ポイントを押さえて対策を考えましょう。

  • 実際の湿球温度が設定値よりも高くなっている
  • 入口水温が設定値よりも高くなっている
  • 冷却塔(クーリングタワー)のメンテナンス不足により冷却効率が低下している
  • 他にも要因があるため、不明な場合は空研工業にご相談ください。

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    冷却塔(クーリングタワー)の方式

    冷却塔(クーリングタワー)には、「開放式」と「密閉式」があります。
    また、冷却塔(クーリングタワー)の形は「丸型」と「角型」の2種類があります。

    それぞれのメリット・デメリットや特徴を見てみましょう。

    開放式の特徴

    開放式の特徴は、以下の点です。冷却塔(クーリングタワー)の中でも、開放式のほうがよく使用されています。

  • 冷却塔(クーリングタワー)の作りが簡単なため、冷却塔(クーリングタワー)の値段が安い
  • 冷却水が汚れると、冷却塔(クーリングタワー)全体にスケール障害や藻類の発生、腐食障害が発生する
  • 水が汚れないように、薬剤を投入するなどをしてきれいに保つための対策は必要です。

    密閉式の特徴

    構造上、冷却水は一切、空気に触れることはありません。特徴は以下を参考にしてください。

  • 冷却水の水質は悪化しないため、冷却塔(クーリングタワー)の配管の中が汚れない
  • 冷却水が濃縮しない
  • 冷却スケール障害が発生しない。設備が長持ちしやすい
  • 冷却塔(クーリングタワー)の構造が複雑。開放式よりも、金額が高い
  • 溶存酸素の影響で金属が腐食する
  • 冬場、冷却水が凍ると氷となって膨張し体積が増え、銅コイルが破損する
  • 凍結防止が必要
  • 冷却塔(クーリングタワー)は、水がきれいな状態を維持する必要があります。
    例えば、汚れた水を使用しつづけると、空気と一緒にレジオネラ属菌が排出されることも。健康被害に繋がることもあるため、水質管理は大切です。

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    丸型冷却塔の特徴

    丸型冷却塔では、カウンターフロー方式(向流式)を使っています。特徴は、使用できる冷却塔(クーリングタワー)の大きさと、風の向きです。

  • 上から落ちる水に風を「下」から当てて冷やす
  • 冷却能力が100冷却トン以下で使用することが多い
  • 角型冷却塔の特徴

    クロスフロー方式(直交流式)の角型冷却塔。丸型冷却塔より、少し多くの特徴があります。

  • 「横」から風を当て、上から落ちる水を冷やす
  • 冷却塔(クーリングタワー)をいくつもつなげることができる
  • 100冷却トン以上で使用することが多い
  • 密閉式と開放式がある
  • 冷却塔(クーリングタワー)の構造

    冷却塔(クーリングタワー)は、さまざまな部品から成り立っています。

    部品と働きは以下の通りです。
    それぞれの部品が、冷却塔(クーリングタワー)にとって大切な働きをしています。

    本体側面

    その名の通り、冷却塔(クーリングタワー)の外部を覆っている部分。材料は、プラスチック(PVC製、FRP製)を主に使用。

    充填材

    様々なパターンの薄いプラスチックの板を重ねたもの。
    様々な型の理由は、限られたスペースでも面積を出すため。
    充填材には水を散布し、外気と接触させることで冷却水を冷やす。

    エリミネータ

    充填材からの水しぶきを捕捉する。
    また、他へ水が飛散することを防ぐ。

    ファン

    外気を強制的に中に取り込むためのファン(送風機)。

    モーター

    ファンを動かすために必要な心臓部。

    駆動ベルト

    ファンとモーターを繋ぐベルト。
    このベルトがなければ、モーターがあってもファンは作動しない。

    銅コイル

    密閉式冷却塔で使用する。
    内側に冷却水を流して、外側を散布水で冷やす。

    上部水槽

    充填材の上部に取り付けられる散水槽で、底に穴があいており冷却水を充填材に撒いている。
    角型冷却塔に使用。

    スプリンクラー散水装置

    丸型冷却塔に取り付けられる装置。
    中心にスプリンクラーが取り付けられており、スプリンクラーで冷却水を充填材に撒いている。

    下部水槽

    充填材で冷やされた冷却水を、貯めるための水槽。

    ストレーナ

    葉っぱや藻など、不純物を取り除くための金網製のフィルター。

    ボールタップ

    冷却水は蒸発をすることで減る。
    不足した冷却水を自動で補充する装置。

    膨張タンク

    密閉されていると、中で空気が膨張していく。
    そのままにしておくと、爆発などの原因になり危険。
    膨張タンクで、配管内の空気を逃がす。

    まとめ

    冷却塔(クーリングタワー)は、温度差があることで、冷却能力を発揮。
    特に、冬場になると温度差が大きくなるため、冷却塔(クーリングタワー)の能力を発揮しやすいという特徴があります。

    冷却塔(クーリングタワー)は、潜熱変化と顕熱変化により温度差を作り出しています。
    冷却水に外気を当てて冷やすという仕組みです。

    様々な部品で成り立っている冷却塔(クーリングタワー)。
    冷却水をきれいな状態で保つための工夫や、少しでも多くの冷却水を冷やすための構造になっています。

    正常に一つ一つが作動しなければ、冷却塔(クーリングタワー)として能力を発揮できません。
    定期的にメンテナンスを行い、正常に稼働するようにしましょう。

    冷却塔の水質のメンテナンスなら空研工業

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