冷却塔の清掃に関する法令とは?清掃前に知っておこう

冷却塔(クーリングタワー)の掃除は、汚れている部分をきれいにするだけではありません。
外気を取り込み、熱交換した後の空気を外気に放出する冷却塔(クーリングタワー)は、法令によって点検するタイミングなどが決まっています。

どのような決まりがあるのか正しく知り、法令に則って行いましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の清掃に関する法令とは

冷却塔(クーリングタワー)は定期的に清掃をする必要があります。
清掃といっても、汚れている部分だけをきれいにするだけではありません。

清掃に関することは、「建築物衛生法」に定められています。
この法令は、「建築物環境衛生管理基準」が決まっています。

そのため、基準に沿って建築物の衛生管理を行わなければいけません。
わざわざ基準を定めている目的は、「高水準の快適な環境を実現する」ためです。

さまざまな管理の権原は、特定建築物維持管理権原者にあります。

権原者は、「特定建築物の所有者、占有者その他の者。特定建築物の維持管理について権原を有する」と定められています。
そのため、建築物環境衛生管理基準を守って、建築物の維持管理をしなければいけません。

  • 空気の環境に対する調整や給排水の管理、清掃方法などを定めている
  • 良好な衛生環境を維持するために、必要な措置を定めている(※ただし、適合していなくても、すぐに行政処分の対象にはならない)
  • 健康に影響する判断された場合は、都道府県知事は改善命令が出る
  • 緊急事態を要する状況になった場合、都道府県知事は事態が収束するまで設備の使用停止や使用制限をすることが可能
  • 特定建築物以外の建物でも、不特定多数の人が利用することがあります。
    その場合、建築物環境衛生管理基準に沿って維持管理をしなければいけません。
    ただし、「努力義務」です。

    特定建築物とは

    建築物衛生法で定めている、「特定建築物」は以下の建物が該当します。

  • 公共施設:百貨店、図書館、美術館又は遊技場、興行場、博物館
  • 店舗や事務所
  • 学校(※研修を行う場所も含む)
  • 旅館
  • 特定建築物になる基準は、以下を満たしている必要があります。

  • 用途に使われる延床面積が、3,000㎡以上
  • 学校は、延床面積が8,000㎡以上
  • 特定建築物の一覧を見ると、病院や介護施設などは含まれていません。
    それぞれの建物で、特殊な環境のことが多くあります。
    そのため、特定建築物からは外しています。

    通常、マンションも対象外です。
    理由は、個人管理のため。ただし、以下の条件のマンションは、法律の対象です。

  • 商業施設を併設している
  • 専有面積が3,000㎡以上の場合
  • 建築物衛生法の役割

    建築物衛生法という法律で、清掃に関することを定めているには理由があります。
    空調は、広い範囲に空気を送り込みます。そのため、空調内でトラブルが発生すると、吐き出される空気と一緒に、建物内にニオイなどが広がることもゼロではありません。

    法令によって、さまざまな基準を設けており、全国の特定建築物で同じ環境を維持・管理することが可能です。

    建築物衛生法の仕組み

    法令は、さまざまな基準値などが決まっています。
    冷却塔(クーリングタワー)が関係するのは、水質だけではありません。

    熱交換した後の空気を外気に放出する冷却塔(クーリングタワー)。空気の基準値も守りましょう。

    それぞれ「空気環境」と「給水の管理」、「排水の管理」、「清掃等」、「ねずみ等の防除」の5項目に分類をして、それぞれ基準を設けています。

    空気環境

    建築物衛生法では、「空気調和設備」という言葉が出てきます。
    これは、「エア・フィルターや電気集じんなどを使って、外から取り入れた空気などを浄化する設備。

    さらに、温度や湿度、流量を調節して供給することができる、機器及び附属設備」のことです。
    「温度」と「湿度」、「流量」、「浄化」の機能が備わっています。

    上記の機能が1つでも欠けていると、空気調和設備とはなりません。
    居室に対しての基準値は決まっています。

    また、維持管理していくための基準を厚生労働大臣が定めています。
    それぞれの基準値に沿って、維持管理をしなくてはいけません。

    以下が基準値です。

  • 浮遊粉じん量:0.15 mg/m3以下
  • 一酸化炭素の含有率:10 ppm以下(※外気が10ppm以上:20ppm以下)
  • 二酸化炭素の含有率:1000 ppm以下
  • 温度:17℃以上28℃以下。居室の温度を外気の温度より低くする場合は、差が大きくならないこと
  • 相対湿度:40%以上70%以下
  • 気流:0.5 m/秒以下
  • ホルムアルデヒドの量:0.08 ppm以下
  • 空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準

    空気調和設備と機械換気設備の清掃などには、下記の方法などを守りましょう。

    空気清浄装置

    点検箇所は「ろ材」、「集じん部」の汚れの状況
    ろ材の前後の気圧差など
    ※必要に応じて、性能検査(ろ材や集じん部)、ろ材の取り替えなどを行うこと

    冷却加熱装置

    運転のスタート時と運転中は、汚れの状況などを点検すること
    ※必要に応じて、コイルの洗浄や取り替えを行うこと

    加湿減湿装置

    運転のスタート時と運転している間は、コイルの表面やエリミネータなどの汚れを点検すること。           また、損傷やスプレーノズルの閉塞へいそくなどの状況も点検すること
    ※必要に応じて、洗浄、補修などを実施

    ダクト

    定期に吹出口と吸込口を清掃すること(周辺部を含む)
    ※必要に応じて、補修などを行うこと

    送/排風機

    定期に送風量や排風量の測定・作動状況の点検を行うこと

    冷却塔(クーリングタワー)

    下部水槽、散水装置、充てん材、エリミネータなどの汚れの点検を行うこと。
    また、破損や損傷が無いかなどやボールタップ、送風機の作動状況は定期に点検すること

    自動制御装置

    隔測温湿度計の検出部の障害の有無は、定期に点検すること

    衛生上必要な措置

    衛生管理を怠ると内部でレジオネラ属菌などが発生します。
    それらが空気と一緒に建物内に拡散されると、健康に影響が出ることもあります。

    そのため、健康被害を阻止することが求められます。
    建築物衛生法によって健康被害を発生させないために、さまざまな基準値などが決まっています。

    冷却塔(クーリングタワー)と冷却水

    措置内容

    汚れの状況を確認。必要に応じて、清掃や水の交換などを行うこと

    措置回数

    使用をスタートしたときと、使用している間に1回/1ヶ月以内。ただし、1ヶ月以上、使用しない場合は実施しなくても可

    措置内容

    冷却塔(クーリングタワー)と冷却水の水管清掃

    措置回数

    1回/1年以内ごと

    基本的な清掃方法

    冷却塔(クーリングタワー)の清掃方法は、「冷却塔(クーリングタワー)または冷却水の水管の清掃を、それぞれ一年以内ごとに一回、定期に行うこと」と決まっています。

    特に、レジオネラ属菌に対しては、対策をしなければいけません。

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    冷却塔(クーリングタワー)の清掃

    付着しているスケールや生物膜などを洗い流すための手順です。

    1. 冷却水の循環を停止する。そして、冷却塔(クーリングタワー)下部水槽の水を排出
    2. 冷却塔(クーリングタワー)内部の汚れを、デッキブラシなどで洗い流す
    3. 充填材の汚れを落とす。破損となるため高圧洗浄機は使用せず、清掃は業者に依頼する
    4. 下部水槽に洗浄した水が溜まるため、冷却塔(クーリングタワー)の排水口から排出する。この時、冷却水系に混ざらないように注意
    5. 冷却塔(クーリングタワー)内部をしっかりとすすぐ。その後、きれいな水を張り運転を再開。

    ※清掃の際は、作業員の安全確保のため下記を装着すること。

  • 保護マスク
  • 保護メガネ
  • ゴム手袋
  • など

    冷却塔(クーリングタワー)の清掃後に行うこと

    清掃が完了したら、きれいな冷却水や冷却塔(クーリングタワー)内を維持できるわけではありません。
    定期的に薬剤を使用したり、水質検査を行いましょう。回数や基準値は下記のように決まっています。

  • 冷却水に水道水以外の雨水などを使用している場合、「年1回」水質検査を行うこと
  • 冷却塔(クーリングタワー)の運転中は、洗浄殺菌効果を維持(※殺菌剤やスケール防止剤やスライム防止剤などを継続的に使用すること)
  • 冷却水のレジオネラ属菌検査を「年1回」実施。その際、「100CFU/100mL 以上」検出されないことを確認すること(※検出された場合、清掃・消毒等の対策を行い再度検査。基準値は、「検出限界以下:10CFU/100mL 未満」となること)
  • 下部水槽の清掃

    下部水槽に対しても、法律で清掃することが決まっています。

  • 1年以内ごとに1回、定期的に実施すること
  • 使用している間は、1回程度/月の物理的洗浄を行うこと
  • 使用開始時と使用終了時にも、物理的洗浄を行う
  • 冷却水の水管の清掃

    「化学的洗浄方法」で行いましょう。

    1. 冷却塔(クーリングタワー)ファンおよびブローダウンを停止
    2. 「過酸化水素」や「塩素剤」、「有機系殺菌剤」などの薬剤を循環させる(※使用する薬剤によって、薬剤使用後の工程は異なる)
    3. どの薬剤を使用しても共通して、最終的に洗浄水を全て排出しきれいな水を張る

    ※循環させた冷却水の汚れが激しい場合、洗浄を繰り返す
    ※腐食性の強い薬剤を使用する場合、内部金属素材の腐食防止に十分配慮すること

    水管内は、高圧洗浄などの物理的洗浄はできません。
    そのため、薬品などの化学的洗浄方法で行う必要があります。

    どうしても物理的洗浄を行う場合は、分解してから行いましょう。

    レジオネラ属菌に対しての薬剤は、複数販売されています。
    選ぶ際の基準は「洗浄効果が確認されている」ことです。

    まとめ

    冷却塔(クーリングタワー)の清掃に関しては「建築物衛生法」で定められています。
    熱交換した後の空気を外気に放出する冷却塔(クーリングタワー)。
    衛生管理などをきちんと行わなければ、健康被害が発生する可能性もあります。

    冷却塔(クーリングタワー)は点検の回数や基準値が決まっています。
    点検のタイミングなども定められているため、安全に使用するためにも法律内で決まっていることは守ることが大切です。

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