クリバードK2とは?仕組みや役割をわかりやすく解説

各メーカーから様々な水処理装置が販売されています。
その中の一つ、クリバードK2はご存知でしょうか。

クリバードとは、空研工業と栗田工業が共同開発した冷却塔一体型薬注装置のことです。

この記事では、クリバードK2の仕組みや構造などについてまとめています。
クリバードK2について理解を深めると、冷却塔(クーリングタワー)の水質がどのように管理されているかがよくわかるようになります。

クリバードK2とは

クリバードK2とは簡単に言うと、冷却塔一体型薬注装置のことです。
冷却塔(クーリングタワー)の下部に専用部品で取付けるため、基礎は不要です。

冷却塔は、冷凍機などの主機によって温められた冷却水を冷やしています。

冷却水は、循環しているうちにゴミなどの異物が混入したり藻や雑菌が発生したりするなどして、水質が低下していきます。
汚れた水を使用し続けていると、冷却塔の各部で腐食が進み、故障や性能低下の原因につながります。

冷却塔には、「開放式冷却塔」と「密閉式冷却塔」の2種類があります。

開放式冷却塔は、冷却水と外気を直接接触させて冷却水を冷やしています。
冷却水は、常に外気と接触するため、藻の発生や、冷却水の濃縮といった現象が起きやすくなります。
密閉式冷却塔は、冷却水が銅管コイル内を流れるため外気と直接接触することはありませんが、散布水が外気と直接接触しているため水質が悪化する可能性があります。
どちらのタイプでも水質の悪化は避けられないため、日頃の水質管理で回避することが必要です。

クリバードK2は、悩みの種である冷却塔の水質管理を自動で適切に行ってくれるシステムなのです。

クリバードK2の仕組み

クリバードK2は導電率管理装置「クリオートK2-E」と薬液タンク、薬注ポンプから成ります。

まず、導電率管理装置「クリオートK2-E」についてご説明します。
導電率管理装置とは、冷却水の導電率を測定する装置です。
きれいな水は電気を通しにくいという性質を持っています。そして、水中の不純物の割合が高ければ高いほど、電気を通しやすくなります。
導電率管理装置は、このような水の性質を利用して冷却水の水質を計測しています。
クリオートK2-Eは電気伝導率の上限値・下限値はあらかじめ設定することができ、設定値を基準にして補給水弁に信号を送ります。
また、クリオートK2-Eは測定できる範囲が広く、節水対策の高濃縮運転に最適です。

続いて薬液タンク、薬注ポンプについてご説明します。
読んで字のごとく、薬液タンクは水処理剤を溜めるためのタンク、薬注ポンプは冷却水に水処理剤を送るためのポンプです。
クリバードK2で使用される「抗レジオネラ用マルチ薬品」は、一剤でスライム・スケール・腐食を防止し、さらにレジオネラ症の対策ができる優れものです。

水処理剤は薬注ポンプを通して冷却水に添加されますが、一定の濃度に保つ必要があり、そのためには薬品注入の制御が必要となります。
クリオートK2-Eでは、タイマー制御(設定した時間に薬剤を注入する方法)と補給水流量比例制御(パルス発信式流量計の計測結果を基に、薬剤注入する方法)のどちらかを選択することができ、お客様の状況に合わせた制御が可能です。
また、薬剤の注入とブロー(給水)の同時作業を回避する機能がついているため、薬剤の無駄を制御することもできます。

まとめ

冷却塔一体型薬注装置のクリバードK2の仕組みや構造について解説しました。
冷却塔(クーリングタワー)を使用するうえで、水質管理は不可欠です。

クリバードK2は冷却水の水質を自動で効率的に管理してくれる優れものです。
直近で、アクアスとの共同開発も完了、販売開始しておりメーカー選択も可能になりました。
冷却塔一体型薬注装置の導入を検討、さらに詳しく知りたい方はお気軽に空研工業までご連絡ください。

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