冷却塔の蒸発量と補給水の量計算方法を解説

冷却塔(クーリングタワー)は、水が蒸発して熱を奪う気化熱の原理を応用した、冷却水を冷やす装置です。
冷却塔(クーリングタワー)は効率的に冷却し続けられるよう、水の循環利用をしています。

つまり、蒸発した分を補給水で補う仕組みです。

冷却塔(クーリングタワー)の基本的な仕組みを理解する上で、冷却塔(クーリングタワー)の蒸発量を計算する方法と補給水の量を求める計算方法を知ることが役立ちます。

冷却塔(クーリングタワー)の蒸発量とは

冷却塔(クーリングタワー)は、温かい水が蒸発する際に熱を奪って冷えていくという、気化熱の原理を応用した装置です。
具体的な仕組みは、循環水の入口温度と外気湿球温度のエネルギー差を利用して冷却しています。

蒸発量を増やすために、風を送ることや質のいい水を使うなどの仕組みも構築されています。
冷却塔(クーリングタワー)の性能は主として、循環水量および入口温度や出口温度、外気湿球温度との相互関係によって決まってきます。

もっとも、実際に運転をしていくうえでは、設置された場所の環境などにも左右されるため、水量・入口温度・外気湿球温度が仕様条件通りになることはほとんどありません。

冷却塔(クーリングタワー)の温度差は熱量と循環水量で決まりますが、冷却塔(クーリングタワー)の出口温度は外気乾球温度(通常「気温」と言われる)と相対湿度から得られる外気湿球温度の影響を受けることになります。
冷却塔(クーリングタワー)を効率的に稼働させるには、冷却された出口水温と湿球温度の差(アプローチ)を、最低でも2℃以上にすることが欠かせません。

そのため、一般的な冷却塔(クーリングタワー)のアプローチは、5℃程度になるよう設計されています。
冷却塔(クーリングタワー)は、空気の湿球温度によって水を気化させて熱を奪う気化熱の原理を応用した仕組みであるため、外気の気温より下げることが可能です。

冷却塔(クーリングタワー)の蒸発量を知る目的

冷却塔(クーリングタワー)で発生する水の損失は、熱を取り除くための気化熱による蒸発量と、ファンの作用で空気とともに微小な水滴として飛び去っていくキャリーオーバ量の2つがあります。

冷却塔(クーリングタワー)の方式の中でも密閉式の場合、散布水が蒸発によって濃縮されていきます。
濃縮された水は、接触する金属部分を腐食させる原因となるほか、藻の発生や黒サビが付着する原因となる点で問題です。

冷却塔(クーリングタワー)の内部の腐食や劣化を防ぐためにも、濃縮された水の一部を捨てて新しい水を補給し、水の濃度を良好に保たねばなりません。
濃縮された水の一部を捨てることをブローダウンと呼び、ブローダウンで捨てた分の水は、ボールタップから自動給水される仕組みが備わっています。

冷却塔(クーリングタワー)の仕様上計算される蒸発量と、実際の運用環境では水量・入口温度・外気湿球温度が異なるため、実際の蒸発量も異なってきます。

それに合わせて必要となる補給水の量も異なってくるため、冷却塔(クーリングタワー)の性能を保ち、適切に日々の管理やメンテナンスを行い、寿命を維持していくためにも、蒸発量の計算ができることと、補給水の量を計算できると便利です。

冷却塔のメンテナンスなら空研工業

冷却塔(クーリングタワー)の蒸発量の計算式

蒸発量(E)は、次の式で計算できます。

蒸発量(E)= ⊿t×L×Cp÷2,520 = ⊿t×L/600(L/min)
⊿t:循環水入口・出口の温度差(℃)
Cp:水の定圧比熱=4.2(kJ/kg℃)
L:循環水量(L/min)

補給水量(M)はM=蒸発量(E)+キャリーオーバ量(C)+ブローダウン量(B) から求められます。
この点、キャリーオーバ量(C)は、量としては極わずかなものです。

製品の本体の構造によって左右されますが、通常は循環水量の0.05%以下となります。
ブローダウン量(B)として必要な捨てる水の量は、使用されている水の水質や濃縮の度合いによって異なります。

一般的には空調用の冷却塔(クーリングタワー)の濃縮倍数は3倍程度に設定されているため、循環水量の0.3~0.4%ほどが必要です。

密閉式の冷却塔(クーリングタワー)において、散布水の一部を定期的あるいは連続的に入れ替えるためには、運転中にドレンバルブをわずかに開いておくか、運転水位を上げて常時オーバーフローをさせるか、もしくは、下部水槽の清掃を行いながら定期的に換水すると効果的です。

また、ブローダウンをより効果的に実行するには、補給水にはミネラル分や不純物を多く含む地下水や河川水などの使用は避け、ろ過された不純物が少ない水道水を使用することが望まれます。

もちろん、水道水の質も地域差があるため、水の不純物が少ないほど、濃縮されても冷却塔(クーリングタワー)内部へのダメージを与える度合いが少ないといえます。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)は、水が蒸発する際に、熱を奪って冷却水を冷やす気化熱の仕組みを利用した冷却装置です。
もっとも、製品の設計仕様上の温度差や蒸発量は、実際の環境では差が出てしまいます。

そのため、各環境においての蒸発量が計算できると、必要な補給水の量も明確にでき、冷却塔(クーリングタワー)の効率的な運用や寿命を延ばすことにつなげられます。

冷却塔の蒸発量の計算なら空研工業

NO IMAGE
CTR IMG

〒810-0051 福岡市中央区大濠公園2番39号
TEL. 092-741-5031 FAX. 092-741-5122