冷却塔の方弁とは?種類と三方弁・二方弁の違い

冷却塔(クーリングタワー)に取り付けられる方弁には、どのような役割があるのでしょうか。

役割を理解することで、適切な設置方法などを理解することができます。
また、方弁の代表的な種類である三方弁と二方弁の特徴や違いについて確認していきましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の方弁とは

冷却塔(クーリングタワー)は、空気調和設備において、熱源機器の冷却水の温度制御の一端を担っている装置です。
冷却水の温度制御の目的は、熱源機器の保護をはじめ、冷却水温度を適切に制御するためのものです。

そのため、負荷レベルに応じて冷却塔のファン(送風機)の運転台数制御、インバーターを使ったファン回転数の制御、バイパス弁の開度などを自動制御システムを通じて変化させています。

冷却塔においては、冷却水の温度制御を主に3つの方法で実施しています。

1つ目は冷却塔のファン(送風機)の運転台数を変化させること、
2つ目は冷却塔モーターのインバーター周波数を変化させること、
3つ目は冷却水の入口の温度に応じてバイパス弁の開度を変化させることです。

冷凍機の場合、冷却水温度が低い方が効率が良くなります。

しかし、冷却水温度が低すぎると冷凍機が故障するなどのトラブル発生のリスクが高まるため、注意しなくてはなりません。
冷却水の下限温度については、必ず使用される冷凍機メーカーにご確認ください。

冷却塔の能力は、夏期条件で設計されています。
そのため、春や夏などの中間期に冷却塔を稼働させると、冷却水の出口温度が下がりすぎる恐れがあります。

そこで、三方弁による温度制御が必要になるのです。

冷却水の温度制御における冷却水の入口の温度に応じて、バイパス弁の開度をコントロールする際に、方弁が使われています。

方弁の種類

バイパス弁とは、冷凍機に供給される冷却水の下限温度を守るために、取り付けられている部品です。

冷却水の下限温度を下回らないために、冷却水の一部または全部を、冷却塔(クーリングタワー)を通すことなく冷凍機に送れるようにします。

バイパス弁には三方弁、または二方弁が用いられます。
それぞれの方弁の種類の特徴や違いを見ていきましょう。

1.三方弁

三方弁には流路が3つあります、そのため主管とバイパス管の分岐部に設置します。

2.二方弁

二方弁は流路が2つあります。通常バイパス管に設置します。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)には、冷凍機に供給される冷却水の下限温度を守るために、冷却水の一部または全部を冷却塔を通すことなく冷凍機に送れるようバイパス弁が取り付けられることがあります。

その種類として三方弁または二方弁があり、それぞれ特徴が異なります。

冷却塔を設置する地域や環境、使用目的や温度や圧力などの条件に合わせ、適切な種類を、分割または合流など適切な方法で取り付ける必要があります。
再度申し上げますが、冷凍機への冷却水下限温度は必ず、メーカーにご相談ください。

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