冷却塔の方弁とは?種類と三方弁・二方弁の違い

冷却塔(クーリングタワー)に取り付けられる方弁には、どのような役割があるのでしょうか。

役割を理解することで、適切な設置方法などを理解できます。
また、方弁の代表的な種類である三方弁と二方弁の特徴や違いについて確認していきましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の方弁とは

冷却塔(クーリングタワー)は、空気調和設備において、熱源機器の冷却水の温度制御の一端を担っている装置です。
冷却水の温度制御の目的は、熱源機器の保護をはじめ、冷却水を搬送するための動力の低減です。

そのために、負荷レベルに応じて冷却塔(クーリングタワー)のファン(送風機)の運転台数制御やインバーターでの周波数、変換バイパス弁の開度や冷却水ポンプの周波数などを、自動制御システムを通じて変化させています。

冷却塔(クーリングタワー)においては、冷却水の温度制御を、主に4つの方法で実施しています。

1つ目は冷却塔(クーリングタワー)のファン(送風機)の運転台数を変化させること、
2つ目は冷却塔(クーリングタワー)モーターのインバーター周波数を変化させること、
3つ目として冷却水ポンプのインバーター周波数を変化させること、
4つ目として冷却水の入口の温度に応じてバイパス弁の開度を変化させることです。

冷却水の温度制御における冷却水の入口の温度に応じて、バイパス弁の開度をコントロールする際に、方弁が使われています。

方弁の種類

バイパス弁とは、冷却塔(クーリングタワー)に設置されている冷凍機の冷却水の下限温度を守るために、取り付けられている部品です。

冷却水の下限温度を維持するために、冷却水の一部または全部を、冷却塔(クーリングタワー)を通すことなく冷凍機に送れるようにします。

バイパス弁には三方弁、または二方弁が用いられます。
それぞれの方弁の種類の特徴や違いを見ていきましょう。

1.三方弁

冷却水循環はポンプ発停ではなく、三方弁制御で行われるため、冷却塔(クーリングタワー)に三方弁が設置されています。
冷凍機の冷温水発生機の場合、冷却水温度が低いほうが効率が良くなります。

ですが、冷却水温度が低すぎると冷温水発生機の臭化リチウム水溶液が晶析して、再生器が故障するなどトラブル発生のリスクが高まるため、注意しなくてはなりません。

この点、冷却塔(クーリングタワー)の能力は、夏季条件で設計されています。
そのため、春や秋などの中間期に冷却塔(クーリングタワー)を稼働させると、冷却水を冷やしすぎてしまうおそれがあります。

そこで、三方弁による温度制御が必要になるのです。
もっとも、設置の仕方によって機能が異なるので注意が必要です。

冷温水発生機の入口に三方弁を設置する場合は、三方弁は分流として機能します。
冷温水発生機の入口の冷却水量を制御することはできますが、冷却水の水温を制御することはできません。

これに対して、ポンプのサクション側に付ける場合は、合流三方弁として機能します。
三方弁は混合として機能するため、冷却水の温度制御も可能となります。
分流か合流かの機能は、三方弁の部分で水がどのように流れるのかを確認すれば、理解しやすいでしょう。

ただし、ポンプの出側に三方弁を設置する場合、前後の差圧にバルブが耐え切れず開いてしまうことがあるため、注意が必要です。

合流式三方弁はポンプのサクション側に付けるため、三方弁の圧力損失以上の水頭圧が確保できなければ、キャビテーションが起きてしまいます。

ポンプの揚程によっては、望ましくない設置位置にもなりますので、確認が必要です。
空気調和設備設計においては、合流三方弁による方式は冷却塔(クーリングタワー)とポンプのレベル差が3m以下など少ない場合には、採用すべきではないと規定されています。

分流型三方弁にするか、もしくは、二方弁を利用することが求められるケースです。

このように、冷却塔(クーリングタワー)の給水配管に三方弁を取り付ける場合には、温度設定と圧力に配慮しなくてはなりません。

たとえば、合流式三方弁の場合、圧力損失以上の水頭圧がなければ、キャビテーションが起こるリスクがあります。
通常制御の観点から、三方弁の差圧を3m前後で設定した場合、Yストなどの目詰まりなどを考慮すると、冷却水の温度が32℃の場合には、NPSHは約5.5mとなり、合計損失は高くなってしまいます。

この状態では、キャビテーションが起こる可能性が高くなります。
何度くらいの設定がいいかは、冷却塔(クーリングタワー)を設置する地域や設置環境などによって異なりますので、注意が必要です。

冷却水の適切な温度設定なら空研工業

寒冷地における大型商業施設や、涼しい季節の冷房の場合、オーバークールのリスクがあります。
こうしたケースを除けば、冷却塔(クーリングタワー)のプロペラの作動設定温度は何度くらいが適切かというと、ファン発停は25℃程度で十分なため、三方弁の設定温度もこのレベルで問題ないでしょう。

一方、冷却能力が不足している場合に高圧カットが起きてしまうと、何度に設定しても意味がありません。
冷却能力が不足している場合には、設定室温を上げて高圧カットが起こらない限界のラインを検討するケースもあります。

水冷方式の場合は、オーバークーリングによる低圧カットの方法は手間がかかります。
寒冷地の場合、5月頃の気候でも、外気温はかなり低くなります。

一方で、大型商業施設のように熱気のこもる施設では、室温が上昇して冷房が必要になるケースが少なくありません。

冷房負荷は小さいにもかかわらず、冷却塔(クーリングタワー)で必要以上に冷却水が冷やされてしまいます。
冷媒ガスが必要以上に冷やされてしまい、低圧カットが起こって停止してしまうリスクが生じます。

コンプレッサーの低圧側だけ注目してればすぐに気付きますが、多くのトラブルでは対処策として、冷却塔(クーリングタワー)のファン発停温度を上げたり、循環水の温度設定を上げたりすることで対応することになります。

寒冷地ではなく、冷房全開となる環境であれば、高圧カットが起こらないように設定温度を下げましょう。
寒冷地の室温上昇側面でなければ、設定温度を下げても低圧カットは通常起こりません。
適切な設定温度は経験則によるところも大きいです。

2.二方弁

合流三方弁による方式は、冷却塔(クーリングタワー)とポンプのレベル差が3m以下など少ない場合には採用できないため、二方弁が望ましいケースもあります。

また、2次側空調システムにおいても、二方弁によるポンプの変流量制御がベストな方式として採用されています。

この点、2000年代に入るまでは、2次側空調システムといえば、三方弁による定流量制御が一般的でした。
2000年以前は、汎用インバーターが割高だったためです。

コスト面から、二方弁を用いた変流量制御は採算が合わず、ほとんど導入されていませんでした。
三方弁による定流量制御は、ポンプ流量が一定となります。

調節計の信号を通じて、熱交換器への流体の一部をバイパスさせ、熱交換器を通った流体が三方弁で混合し、負荷側の温度を一定にする方式です。

空調需要が少ない時間帯の軽負荷時、たとえば、空調機での出入口温度差が10℃で、冷水流量60%とした場合、残りの冷水がバイパス配管を、単純に通過してしまうのが問題です。

空調機からの出口水とバイパス水は、空調機出口三方弁で混合され、温度13℃の状態で流量100%で蓄熱槽に戻ってきます。

つまり、蓄熱槽の往還温度差が10℃を確保しにくくなるため、蓄熱槽内の温度プロフィールが乱れるトラブルが発生してしまいます。

このトラブルを回避するには、二方弁によるポンプの変流量制御が適切です。
変流量制御では空調機の出入口の温度差を10℃と一定に保ちつつ、流量を低減することができます。

そのため、空調需要が少ない軽負荷時でも、室内側への安定した冷風供給を保ちながら、蓄熱槽の往還温度差を10℃に保つことが可能です。

二方弁制御の場合、水搬送動力は流量も3乗に比例するので、冷水流量の低減ができ、ポンプ動力も小さく済みます。
調節計の信号により熱交換器への流量を、二方弁を通じて制御して負荷側の温度を一定にすることが可能です。

近年では汎用インバーターの小型化や低コスト化が進んだことで、二方弁が普及したことから変流量制御が主流になってきました。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)には、冷凍機の冷却水の下限温度を守るために、冷却水の一部または全部を冷却塔(クーリングタワー)を通すことなく冷凍機に送れるようバイパス弁が取り付けられることがあります。

その種類として三方弁または二方弁があり、それぞれ特徴が異なります。

冷却塔(クーリングタワー)を設置する地域や環境、使用目的や温度や圧力などの条件に合わせ、適切な種類を分割または合流など適切な方法で取り付ける必要があります。

冷却塔における適切な方弁の設置なら空研工業

NO IMAGE
CTR IMG

〒810-0051 福岡市中央区大濠公園2番39号
TEL. 092-741-5031 FAX. 092-741-5122