冷却塔の減速機とは?その役割・仕組み・構造を理解しよう

一部の冷却塔(クーリングタワー)には減速機が付属しているものがあります。
減速機の役割や仕組みを理解することで、冷却塔(クーリングタワー)の選定やメンテナンスに役立てましょう。

冷却塔(クーリングタワー)の減速機とは

減速機というと、言葉のイメージから、ファンの回転速度を減速させるための装置で、冷却塔(クーリングタワー)のパワーを制御する機器のように思えます。

ですが、実際の役割は冷却塔(クーリングタワー)のファンをスムーズに動かすために欠かせない装置で、冷却のための送風機を構成する一部になります。

冷却塔(クーリングタワー)の減速機の役割

減速機は、モーターなどの動力源から得た回転速度を減速するための装置です。

なぜ減速させる必要があるのでしょうか。
モーターは一定速で回転していますが、 必要な回転速度を得るために、減速機によってあえて回転速度を減速させています。

つまり、モーターから得られる動力を利用する際には、基本的に減速機が欠かせないのです。

また、減速機にはもう一つの役割があり、減速比に比例して回転力(トルク)を得ることができます。
回転速度を1/2にすると、回転力は2倍となります。

要するに、減速機によって回転速度を下げることで回転力を大きくし、冷却塔(クーリングタワー)の送風機のファンのパワーをより高めることができるのです。

冷却塔(クーリングタワー)の減速機の仕組み

冷却塔(クーリングタワー)の送風機は、減速機にファンが設置される仕組みとなっています。
ファンの中心部は空気の流れが少ないため、ファンの風による減速機の冷却は、十分に期待できません。

そこで、減速機の温度を最適に保つために表面積の大きなハウジングや高性能減速機冷却ファンを採用することで、放熱性の高い設計としています。
冷却塔(クーリングタワー)の減速機は給油や排油、空気抜きが必要である場合や、定期的にオイルポンプの交換が必要な製品もあります。

ですが、近年ではメンテナンスの容易性を図るべく、減速機に接続配管用ネジを取り付けて空気抜き・給油・排油をファンスタックの外側で行えるものや、点検カバーを油面より上に設けることで油を抜かずに、据付状態で点検できるもの、オイルハネカケ潤滑を採用することで、定期的なオイルポンプの交換が不要なものも登場しています。

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冷却塔(クーリングタワー)の減速機の方式

冷却塔(クーリングタワー)の減速機はファンに設置する方式であり、モーター容量に対応した最適な選定が必要です。
選定の順序は、以下の流れを参考にしましょう。

まず、減速比を決定 します。
減速比はモーター回転数÷ファン回転数で求めてください。

次にサービスファクタ(安全率)を決定しますが、通常はサービスファクタ=2.0以上です。
続いてサイズを決定します。
伝達容量(モーター定格)≦ 定格伝達容量(サービスファクタ 2.0以上)が基本です。

そして、スラスト荷重のチェックをお願いします。
実スラスト荷重≦許容スラスト荷重で、実スラスト=ファンの推力+ファンの自重となるようにします。

そのうえで、周囲温度と高速軸回転数のチェックをしましょう。
減速機近傍の周囲温度の標準範囲は0~40℃、高速軸回転数の標準範囲は450~1800r/minです。

冷却塔(クーリングタワー)の減速機の構造

大型の冷却塔(クーリングタワー)の場合、ファンの減速機とファンスタックの外に設置されているモーターが、数mの中間軸で繋がれる構造となっています。

減速機とモーターの各軸は、芯出しをしなくてはなりません。
一般的には減速機と中間軸を芯出しし、次に中間軸とモーターを芯出しするという順番で行われます。

芯出し精度が悪い場合や、芯出し不良が起こると振動や騒音が大きくなり、周辺装置に損傷が生じることがあるため注意しなくてはなりません。

芯出し不良により、カップリングのディスクにひび割れが起こる場合やオイルシールからの油漏れなどが起こる場合もあります。

芯出し精度の向上が冷却塔(クーリングタワー)の信頼性を高めるため、設置時をはじめ、冷却塔(クーリングタワー)の点検時にレーザー軸芯出しなどが行われることもあります。

この点、ファンのバランスが良くても、運転中に振動が発生するケースも少なくありません。
ファンの減速機低速軸の軸受スパンを長く取ると、振動に強い構造となります。

まとめ

減速機は、冷却塔(クーリングタワー)のファンをスムーズに回転させるために必要な装置です。
送風機は送風機のファンを回すモーターの動力を利用するために欠かせず、また回転速度を下げることで回転力を大きくする役割があります。

モーター容量に対応した適切な減速機の選定が求められるほか、芯出しの精度が適切に保てるよう、点検やメンテナンスを行っていくことも大切です。

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