冷却塔の泡立ちを放っておくリスクとは?原因と対策を解説

冷却塔(クーリングタワー)で冷却水に水処理薬剤を投入すると、一定量の泡立ちが見られるのは一般的です。

ただし、水処理薬剤が入りすぎると冷却水が過剰濃縮し、大量の泡立ちが見られる場合もあります。
適正量の投入と適正な水質分析、定期的な冷却水のブローダウンが必要ですので、詳しく解説していきます。

冷却塔(クーリングタワー)で泡立ちが見られる原因とは

「冷却塔(クーリングタワー)の冷却水ピット(下部水槽)に泡立ちが見られるがこれは何か」という問い合わせは少なくありません。

結論からいえば、こうした泡は、「冷却水処理剤」の影響で起こるものです。
冷却水処理剤はいわゆる殺菌剤ですが、投入直後は特に気泡の大きい泡が出てくることもあります。

これは、冷却塔(クーリングタワー)の中や配管経路内にバクテリアが存在していた証拠であり、泥や土などが混ざって茶色く濁った大きい泡になることが多いです。
泡は汚れやバクテリアの死骸であり、泡がおさまってきたら水質コントロールがうまくいきはじめていると考えられます。

ただしこうした泡立ちが頻繁に見られるなら、強制ブローで水を入れ替える策が必要です。
もちろん、同時に冷却塔(クーリングタワー)内を清掃することも重要です。

また、中には冷却水系統の設備フローに問題がある場合や、通常のブローダウンでは浮かんだ泡が排水されない仕組みになっている設備もあります。

ひどい場合は水質管理が適切になされておらず、冷却水処理剤の量が多すぎて冷却水が過剰濃縮し、冷却塔(クーリングタワー)から大量の泡が噴き出しているようなケースもあるので注意が必要です。

異常な泡立ちが起こる3つの原因

冷却水処理剤を投入すれば、一定量の泡立ちが起こるのは、通常の範囲です。

定期的に水質分析を行い、最低でも電気伝導度と遊離塩素の2つを計測した水質分析所があれば、状況を把握しやすくなります。

目視で確認できる範囲としては、冷却水処理剤の投入直後に気泡が大きい泡が出て、次第に出なくなってきたら水質のコントロールがうまくいっていると推測できます。

泡の色からも一定の判断が可能で、白色と茶色が混在している場合は、バクテリアや泥のほか、スライムや藻類が内部に混在していた証拠と言えるでしょう。
状況に合わせて冷却水処理剤を投入し、殺菌効力が不足しないように水質をコントロールできれば、こうした原因物質との攻防を制することが可能です。

こうした対処は、いわば水質の治療期間とも言えますが、この間は多少冷却水処理剤の設定濃度を上げることも有用です。

原因物質が抑えられれば泡も徐々に減り、最終的には完全になくなります。
それでは、異常な泡立ちが見られる場合の原因をまとめておきましょう。

原因1.バクテリアやスライムが多い

水質管理ができておらず、冷却塔(クーリングタワー)内や配管経路内にバクテリアやスライムが大量に存在している場合は、泡の量も異常に多くなります。

泥や土が多いと茶色く濁った泡になりますが、混濁した大量の泡立ちが見られる場合は強制的にブローダウンし、水を入れ替えるほうがいいでしょう。

原因2.冷却水処理剤の量が多い

冷却水処理剤の投入量が多すぎると、冷却水が過剰濃縮し、大量の泡が発生します。
水質分析で水中の薬剤濃度を調べ、過剰注入を改善するだけで解決する場合も少なくありません。

季節によって給水量は変化しますので、給水量に合わせた投入が必要です。

原因3.ブローダウンで排出できていない

冷却水系統の設備フローに問題があり、冷却水ピットに浮かんだ泡を排出できていないケースがあります。

冷却水のブローダウンには「引き抜き方式」と「オーバーフロー方式」の2つがありますが、引き抜き方式の場合、単に水を抜くだけではピットに浮かんだ泡が排水されません。

そのため、泡がどんどん増加を続け、汚れが付着します。
ピットが併設されている設備に多いのですが、引き抜き方法で作られているプラント設備は、特に注意が必要です。

泡立ちを放置しておくと起こりうる2点の被害

冷却水の泡はバクテリアの死骸や泥などの汚れだと述べましたが、当然このようなものをそのまま放置していて、いいわけはありません。

水質管理にも悪影響を及ぼしますし、適切に排出することが重要なことは、いうまでもないでしょう。
また、水質面以外にも、悪影響を及ぼす懸念があります。

被害1.熱効率の低下

冷却塔(クーリングタワー)は、空調用であっても産業用であっても、その究極の目的は「冷やす」ことです。

気化熱を利用して熱源から熱を奪い、温度を下げるのが役割ですから、その設備の熱効率が低下することは、大きな損失と言えます。

特に薬剤の濃度が高く水の粘度が上がれば、蒸発しにくい性質を持つことが懸念されます。
汚れが溜まれば通過風量が減少し、非常に非効率な状況になります。

被害2.無駄な薬剤コストの発生

水質分析を行わず、単に冷却水処理剤を機械的にポンプで投入し続けていると、年間を通して、無駄な薬剤コストをかけ続けることになります。

しかもその結果設備の効率も悪くなるわけですから、さらなる費用対効果の低下を招くことになります。
冷却水処理剤は少なくとも、夏場と冬場とでは投入量を変えるのが一般的です。

異常な泡立ちに対する2つの対策

冷却塔(クーリングタワー)内全体が泡で水面も見えない状況になったり、外部にまで泡があふれ出してきたりするような状況は、明らかに異常です。

こうした場合に泡を消す「消泡剤」も販売されていますが、まずは冷却水処理剤が適正量なのか、水質のコントロールは正常に行っているのかをチェックすることが先決です。

また、バクテリアやスライムが異常発生しているのであれば、そもそも冷却水処理剤の有効性を問う前に、原因物質が増殖しにくい環境を整える必要があります。
冷却塔(クーリングタワー)の敵はバイオフィルムやスライム、藻類やスケール成分などであり、泡そのものではないからです。

せっかく冷却水処理剤を投入しても、こうした原因物質に殺菌成分が消費され、もっとも重要なレジオネラ菌の殺菌力が阻害されるようなことがあってはなりません。

基本であり、必須である対策をあらためて解説します。

対策1.冷却塔(クーリングタワー)内容のセルフメンテナンス

1か月に1回の冷却塔(クーリングタワー)内の清掃は、基本中の基本です。
高圧洗浄機を用意し、以下を目安としてセルフメンテナンスを行ってください。

・水槽の濁りがある
・藻やスライム、スケールが付着している
・ゴミや汚れが目視できる
・排水が詰まる
・異臭がある
・設備能力の低下を感じる

点検は定期的に、冷却塔(クーリングタワー)の上部水槽、充填材、下部水槽をそれぞれしっかりチェックし、必要な清掃を実施してください。

水が濁っているのはまっさきに気付くべきアラートですので、冷却能力が低下するようなことのないよう清掃を行いましょう。

冷却塔(クーリングタワー)のセルフメンテナンスは、下記の手順が効果的です。

ステップ1:上部水槽の清掃
スケールをほうきで除去
高圧洗浄機で藻やスライムなどの付着物を洗浄除去

ステップ2: 送風機の清掃
高圧洗浄機で藻やスライム、スケールを洗浄除去

ステップ3:充填材の清掃
洗浄機で藻やスライム、スケールを洗浄除去
※高圧洗浄機での洗浄は充てん材の破損につながるため、使用しないほうがいいでしょう。

ステップ4:冷却塔(クーリングタワー)内を清掃
高圧洗浄機で藻やスライム、スケールを洗浄除去

ステップ5:下部水槽の清掃
蓄積したスケールをほうきで除去
その後、高圧洗浄機で洗浄

対策2.プロによる全体のメンテナンス

セルフメンテナンスはとても有効ですし、必要な行為ですが、プロフェッショナルではありませんのでどうしても限界があります。

特に汚れだけでなく異音や異常振動、破損や変形などが見られる場合には、専門業者によるメンテナンスを実行してください。

もちろん、異常な泡立ちが見られるような場合にも、プロフェッショナルであれば適切に解決できます。

また、冷却水には水処理薬剤さえ入れていれば、水質管理はできていると勘違いしている方も多いようです。
実際には水処理薬剤を入れていても冷却水が濁っているケースは非常に多く、異常な泡立ちがある場合や排水することすら懸念されるような水質が見られる場合も少なくありません。

たとえば、水質汚濁防止法で指定される「特定施設」などでは、冷却塔(クーリングタワー)からの排水にも細心の配慮が必要です。

現状の水質が、果たしていいのか、悪いのか、判断に苦しむようであれば、迷わず専門家に相談することが最善の対策です。

冷却塔の水質検査なら空研工業

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の泡立ちは、バクテリアなど原因物質を排除するために水処理薬剤を投入した際には起こる現象です。

泡はバクテリアの死骸であり、多ければ多いほど冷却塔(クーリングタワー)内や配管内部が汚染されている証拠となりますが、通常は適切に排出されるべきものであり、異常に多い場合は対処が必須です。

また、それ以外にも、水処理薬剤の濃度が高すぎるなどほかの要因がある場合も少なくありません。

通常から適切にセルフメンテナンスを行う必要がありますが、異常を感じたら迷わず専門業者に相談し、対処することが大切です。

冷却塔の泡立ち対策なら空研工業

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