冷却塔(クーリングタワー)はさまざまなパーツで構成されています。
なかでも消音マットは一般的に直交流型(クロスフロー)冷却塔に設置され、落下水音の抑制に効果があります。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットの役割や仕組みについてご紹介します。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットとは
冷却塔(クーリングタワー)は冷却水を循環利用しながら冷却を繰り返すエコな装置です。
水資源を効率的に有効活用しながらも、静かな環境を求める低騒音化のニーズがますます高まっています。
冷却塔(クーリングタワー)の騒音源となる主な原因は、送風機の回転音と冷却水が落下することによる撒水音です。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットは、落下水音を低下させるための部材です。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットの役割
冷却塔(クーリングタワー)の騒音として問題となるのは、送風機の音と水の落下音です。
この2つの音が冷却塔(クーリングタワー)外へと伝達され、耳障りな機械音や稼働音として人に認識されてしまいます。
騒音対策としては音源自体を低くする方法と吸音装置を用いて減音する方法があります。
低騒音をウリにする冷却塔(クーリングタワー)においては、送風機の羽根の形状や翼の形を変更することで低騒音化が行われているのです。
また、モーターの低騒音化や速度変換機構をギヤーからベルトに変更すること、羽根幅を広げて回転数を下げるという送風機の騒音対策がなされるケースもあります。
つまり、送風機の騒音は音源自体を低くする方法が採用されるケースが多いようです。
これに対して、下部水槽に落下する水滴音の抑制には、消音マットを利用するのが一般的です。
消音マットは吸音装置を用いて減音する方法に当てはまります。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットの仕組み
冷却塔(クーリングタワー)の冷却水が落ちる音を防止するには、冷却水が落ちてくる下部水槽に消音マットを設置します。
樹脂などの音を響かせないもので作られており、落下音が気にならなくなる仕組みです。
コンクリートの床やフローリングの床にボールをたたきつけることやグラスを落とせば、大きな音がします。
これに対して柔らかな樹脂素材のクッションフロアにすれば、音が響かなくなります。
消音マットはこれと同様の単純な仕組みです。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットの方式
落下水音はいわゆるホワイトノイズに近いため、簡単な遮音壁を付けることでも減音はできます。
消音マットは落下してくる部分に、音を吸収しやすい素材で作った消音マットを装着し、
落下水を直接水面に落とさずワンクッション入れることで音が聞こえにくくなります。
冷却塔(クーリングタワー)の消音マットの構造
消音マットはメーカーや製品にもよりますが、単純な構造のものが多く、音を吸収し、響きにくくする樹脂などの弾力のある素材や柔らかい素材から作られています。
冷却水が落下してくる下部水槽の形状に合わせ、水滴が落下してくる位置をうまく捕えるような構造になっています。
この点、直交流型(クロスフロー)の場合は、向流型(カウンターフロー)冷却塔に比べて落下水音が小さいので消音マットを取り付けなくても音が気にならないケースが多いようです。
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)の騒音の原因として送風機の音と冷却水が落下する際の落下水音があります。
消音マットは落下水音を抑えるための装置です。
樹脂素材などで作られ、落下水を直接水面に落とさず、かつ音を吸収し音が外部へと響かないようにしてくれます。