冷却塔を更新する目安は?冷却塔の買い替えや寿命について解説

冷却塔(クーリングタワー)を長く使い続けていると、不具合などが生じるようになります。

働きが悪くなると、更新したほうが良いのではないかと考える人も少なくありませんが、冷却塔を買い替える(更新する)タイミングをご存知でしょうか。

この記事では、冷却塔の特徴や経年劣化の状況、さらに交換の目安となるポイントなどについて解説します。
是非参考にしてみてください。

冷却塔(クーリングタワー)とは

冷却塔とは、別名クーリングタワーと呼ばれている水を繰り返し冷やす機械です。
セントラル空調を採用している施設や工場などで使用されています。
空調システムの中で冷水を作り出す冷凍機、工場では空気を圧縮するコンプレッサーなどが該当します。

冷却塔は気化熱の原理を利用して冷却水を繰り返し冷却します。
気化熱とは蒸発潜熱とも呼び、蒸発するときに多くの熱を奪っていきます。

冷却水と強制的に誘引した外気とを接触させ、冷却水の一部を蒸発させます。
冷却水が蒸発する際に残りの冷却水の熱を奪っていくため、温度を下げることができるのです。
3行前の文章で「多くの熱を奪っていきます」と表現しましたが、なんと1%の水が蒸発するとき、残りの99%の水の温度が約6℃下がると言われています。

冷却塔(クーリングタワー)が故障する原因

冷却塔(クーリングタワー)が故障する原因には、さまざまなことが考えられます。

継続して稼働させることで各部品が経年劣化し不具合の発生につながりますが、冷却塔の取り扱い方などによってはそのスピードが早まることがあるのです。
主な原因についてご紹介します。
あまりに大雑把かもしれませんが下記のように集約できます。

冷却塔のメンテナンスを適切に行っていない

冷却塔をできるだけ効率良くかつ長く使用し続けるために、メンテナンスは欠かせません。

最低限行うべきメンテナンスは、清掃・水質管理・部品管理の3つです。
厳密に言えば水質管理をメンテナンスと呼べるか定かではありませんが、非常に大切なポイントですのでこちらに含めておきます。

これらの管理を徹底することで機器としてのベストなコンディションを保ち、加えて藻や細菌などの繁殖を抑えることにより、熱交換機能の低下を防ぎ冷却塔性能を保つことができます。
地道な管理を続けていくことで、冷却塔の長期利用も実現できます。

このように冷却塔に求められる高い冷却性能や経済性を維持していくには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスは専門家による点検と、セルフメンテナンスの組み合わせが理想です。
専門家による点検は1年に1度、セルフメンテナンスは必要に応じてこまめに行うことを目指しましょう。

古い冷却塔(クーリングタワー)をメンテナンスせずに使い続けることで起きうる被害

古くなった冷却塔(クーリングタワー)をメンテナンスせずに使い続けると、どのようなことが起こりえるのでしょうか。
2つご紹介します。

冷却塔の各パーツの耐用年数についてはこちらの記事をご参照ください。

冷却塔大学

冷却塔をはじめ、ものには必ず寿命があります。それぞれ耐用年数は異なりますが、冷却塔の耐用年数はどのくらいでしょうか。ここ…

被害1. 無駄なコストがかかる

設備が経年劣化すると、冷却塔の熱交換の効率が低下し、以前よりも冷却水が冷えないなどの不具合が生じます。
冷却水の温度が下がらない場合、空調設備全体でさらにエネルギーを消費しようとするため、電気代がかかります。

被害2.事故につながる可能性がある

設備内の部品が経年劣化などによって腐食したり破損したりすると、水漏れや冷却水の減少などといった現象が起こるようになります。

水漏れした場合は冷却塔を設置している近隣に迷惑をかけることになります。
また、送風機が経年劣化により、バランスが崩れたり腐食が進んだ結果、落下してしまうと大きな事故につながりかねません。

冷却塔(クーリングタワー)の更新時期を見極めるポイント

冷却塔(クーリングタワー)を更新するタイミングは、修理をしても以前のように効率良く稼働させることが難しいと判断したときです。

冷却塔の耐用年数はパーツにもよりますが、およそ5~10年です。
耐用年数は目安ですし、運転状況や水質・周囲の環境、そしてメンテナンスの程度によって異なります。

冷却塔の部品を交換し運転を継続すべきか、思い切って冷却塔を更新すべきかどうか迷ったら、専門業者やメーカーの点検を受けてみてはいかがでしょうか。
専門業者に依頼すれば、点検後に部品の一部または冷却塔の買い替えを提案してくれるでしょう。

冷却塔の点検なら空研工業

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の特徴から、冷却塔のパーツの耐用年数そして冷却塔を更新するタイミングなどについて解説しました。

冷却塔に限らず、設備を使い続けていると、必ず部品交換が必要な時期がやってきます。
修理しても適切に稼働することが望めない場合は、冷却塔を丸ごと交換することが望ましいでしょう。

更新する場合、古い冷却塔を処分する上で、最も注意すべきは、「冷却塔は、産業廃棄物として処理する必要がある」という点です。

色々とメンテナンスの重要性を述べましたが、定期的なメンテナンスと日常点検により、冷却塔のLCC(ライフサイクルコスト)が低減できます。
空研工業では、他社メーカー品につきましても適切なメンテナンスならびに更新のご提案ができます。
是非、お気軽にお問い合わせください。

冷却塔の点検・更新なら空研工業